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NO.3 |
コレステロール食品
(3−2)
食事療法の注意点
動脈硬化の予防、治療にはまず、自分の食生活を分析、整理していくつ危険因子があるかを把握します。そして該当することをひとつでも減らす努力をすることです。動脈硬化の危険因子を除去するための食事療法
(1)エネルギーを制限する
動脈硬化の危険因子である高血圧、高脂血症、肥満、糖尿病、痛風などの予防、治療には摂取エネルギーの制限、つまり腹八分目に食べることが必要です。
もし過食すれば、余分なエネルギーが体脂肪に変わり、血圧、血中脂質、血糖、さらには尿酸も上昇しやすくなります。肥満のあるときは、漬極的にエネルギーを減らさなければいけません。
さあ、あなたの適性体重を次の式で計算してみてください。適性体重(あなたの身長)(m)の2乗×22(kg)=??kg (1)
現在の体重??kg (2)
適性体重との差は(2)- (1) = ??kg (これが減量目標)
(例 身長165cmの場合 1.65×1.65=2.7225
2.7225×22=59.895kg----->60kg)
1ヵ月に1〜2kgを目標に減量しましよう。減量目標 1日の目安として
肥満がない場合、男性で1800〜2200kcal、女性で1600〜2000kcal
肥満がある場合、男性で1400〜1800kcal、女性で1200〜1600kcalの食事療法を行います(1600Kcal食の献立例は図3)。
(2)食塩は7g以下に
動脈硬化の主な要因は、高血圧といわれております。高血圧を抑制するために 重要な点は、まず食塩(ナトリウム)を制限することです。1日7g以下の減塩では、 料理は出来るだけ素材のうまみを生かして味付けは全体的に薄味にします。みそ汁な ど汁物は1日1回2分の1わん(具たっぷりの薄味)。メン類はつけメンにして汁は 飲まないようにします。漬物は控えます。また加工食品は出来るだけ控えます。
おいしい減塩食の作り方」については、本パンフ54号をご覧ください。
(3)脂肪をとり過ぎない
(4)コレステロール摂取量を1日300ミリg以下に特に肉の脂身、バター、ラードなど動物性脂肪のとり過ぎが血中コレステロールを 上昇させ、動脈硬化の誘因となります。日ごろから肉類や油っこいものを好まれる人 は、積極的に脂肪の摂取量を控えます。
調味料や、トーストパンに塗るバターの量は最低限にし、肉料理に偏らないで、し かも肉を食べるときは脂身を取り除くか、網焼き、しゃぶしゃぶのように調理で工夫 するようにします。
(5)甘いものとアルコールを控える高コレステロール血症を予防,治療するために、コレステロール含有星の多い食品は控えます=表1=。既に血中コレステロールの高い人は、1日の摂取量を300g/dl以下にします。
一方、コレステロール含有量の多い食品はおいしい物ばかりであり、質のよいタンパク質も含んでいます。コレステロールを心配するあまり、これらをむやみに制限すると、体に必要なタンパク質が不足したり、食生活での満足感がなくなり、食事療法が長続きしなくなります。
これらを頻繁に、しかも多量に食べることを控える程度にし、あとは血中コレステロール低下食品と一緒に食べるようにします。コレステロールを低下させる食品として植物油、キノコ、海草、大豆、大豆製品、野菜類、果物などがあります。
植物油のサラダ油、天ぷら油には多くの場合、コメ油、大豆油、コーン油などが混合されており、リノール酸のような多価不飽和脂肪酸が多く含まれています。血中コレステロールを低下させるには動物油を控え、植物油を増加させることがポイントです。
シイタケ、エノキダケ、マッシュルームなどのキノコ類にもコレステロール低下作用があり、食物繊維が多く含まれているうえに、特にシイタケにはエリタデニンと呼ばれる血中コレステロール低下物質が発見されています。海藻のワカメ、コンブ、モズクなどにも食物繊維が含まれ、低下作用があります。
このほか大豆、大豆製品、野菜類、果物などにも血中コレステロール低下成分が含まれています。食物繊維は消化管の中で糖質や脂肪の吸収を抑制し、結果的にそれらのとり過ぎを防ぐことになります。食物繊維の摂取量は1日20〜25gが望ましいとされています。
砂糖、菓子、果物、アルコールのとり過ぎは体脂肪の合成を促進し、中性脂肪を増加させます。中性脂肪は肥満の主な原因であり、動脈硬化を促進します。またさらに血糖のコントロ−ルを悪くして痛風の誘因にもなります。
調味料やコーヒーに入れる砂糖、甘い菓子類は出来るだけ控えるようにします。アルコールは食欲増進の作用を持っているので、過食の原因にもなります。

