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講演  No54

質問・討論コーナー「北の国から元気を出す工夫」
(2/4)


坂東 元 氏

坂東 元 氏

倉本 聰 氏

倉本 聰 氏

 

長谷部 直幸 氏

進行: 長谷部 直幸 氏
旭川医科大学内科学講座
循環・呼吸・神経病態内科学分野教授

長谷部 坂東さんにこの質問ってどうなんでしょう。人間と動物とどちらが好きですか。

坂東 自分はやっぱり動物のほうが好きなんですけれども、人間は別に嫌いというわけでもないですが。人間がつくり出したもので人以外に役に立ったものって、今までないじゃないですか。結局僕らが文明だ何だかんだ言ってつくってきたものは、何も人以外のものに返していないというのが、何かちょっとそこら辺のわがままさが許せないなみたいな、そんな気がして仕方がないですね。

長谷部 やっぱり動物の側に立った視点でのお考えですね。
 倉本さんの「あたり前の暮らしを求めて」というお話がありまして、我々は文明に頼り過ぎた暮らしぶりというものを反省せねばならんというお話だったと思うんですけど、それに関して色々な質問の中に「あたり前の暮らしの最低基準というのはどこに置いていますか」と。それからもっと鋭いのがありまして、「倉本さんご自身の暮らしぶりはあたり前の暮らしなのでしょうか」という質問です。

会場

倉本 僕はあたり前の暮らしをしていますよ。本能に赴いてやりたいことをやっていますから、まずそのことがあたり前だと思いますね。それから、富良野に住んでからもう35年、新聞はとっていませんし、もちろんパソコンみたいなのはできません。最近やっとみんなに言われて携帯のメールというのが打てるようになりました。車はもちろん移動手段とし てどうしても必要ですし、飛行機がないと東京に行けないから使います。文明をすべて拒否するなんていうことは絶対にあり得ないと思います。ただ、できる範囲内で自分の削れるものを削っていくということなんじゃないですかね。

長谷部 ご質問の中に、「エゾシカが五十数万頭に増えちゃったので、それを駆除して食用にする話が出ています。昔は北海道にもオオカミが住んでいて、自然に淘汰されていたのを、人が勝手にオオカミを駆逐したので、生態系がアンバランスになっただけなんじゃないかと。」だから、我々は原点に立ち返って、もっと動物と共存するということを考えるべきじゃないか。人間の傲慢さを反省すべきではというご意見なんですけど、坂東さんはいかがでしょうか。

坂東 動物園もしょせん人のエゴでつくった場所に生き物を閉じ込めているという部分では、動物園の動物が幸せというのはどこかごまかしがあるんですね。オオカミとエゾシカに関しては、例えば今、オオカミ再導入みたいな話がよくあるんですけれども、生き物ってバランスですよね。増え過ぎてしまって、オオカミを入れてエゾシカが減るのであれば、それもまた逆にバランスを崩すことになるので、そんな簡単な話ではないんだろうという気がまず一点するんですね。シカが暮らしやすい環境をどんどん僕らがつくっていっているので、増やしました、邪魔だから殺しましたという、その感覚はちょっとおかしいだろうなと思うんです。
 僕らは不都合なものの存在を認めないという生き方をしているけど、動物たちは、次の瞬間に後ろを振り向いたら、タカに自分が食われているかもしれないという瞬間瞬間の中で生きている。だけど動物たちは相手の存在を否定しないですね。自分を食べるものの存在を否定しないで認めるんですね。そこが僕らが忘れちゃった感覚です。
 よく旭山動物園でオオカミとエゾシカが隣同士にいて、エゾシカがかわいそうって言われるんですよ。だけど、彼らは柵が1枚あることで来られないのは、すぐに感覚の中でとらえます。さらに、自分にとって不愉快なものでも、存在というのを否定しない生き方をするので、僕らが思うような感覚で彼らは隣同士にいるわけではないんですね。そのたくましさみたいなのはありますね。

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