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NO.2

運動
(3−1)


札幌市中央健康づくりセンター長  医学博士 西島 宏隆


突然歩けなくなったり、朝胸が苦しくて目覚める

 「ケース1」働き盛りの45歳の男性。ある日突然、会社に行く途中歩いているときに胸が重苦しくなる、立ち止まって休まないとまた歩けない。不安になって病院に行って検査したところ心臓を養っている血管(冠動脈)が狭くなる狭心症という病気で血管を風船で広げるか、バイパスの心臓手術を受けなければならないと言われて、びっくり仰天する。

 「ケース2」早朝に胸が重苦しくなって目が覚める。冷や汗をびっしょりかいて唸(うな)る。救急車を呼んで救急病院に駆け付けると重症な心筋梗塞で命も危ないと、家族が言われる。

 「ケース3」夕食後に気分が悪いといって、そのまま床に倒れる。救急車を呼ぶが、そのときは既に意識もなく脈もない。いわゆる突然死である。


「ある日急に」と見えても10数年も前から動脈硬化

 これらは虚血性心疾患(冠動脈疾患とも言う)が突然頭をもたげてくるときの典型的な病気発症の状況である。症状だけをみると、ある日急に起きてきたように見えるこの疾患も実際には十数年かかって進行してきた冠動脈の動脈硬化の最終的な段階である。

 心臓の筋肉を養っている冠動脈の壁に徐々にコレステロ−ルなどがたまり血管が狭くなり、ついに運動時に心臓の筋肉に十分な血液を送り込めなくなる(狭心症)、または狭くなったところに急に血栓が詰まる(心筋梗塞、突然死)、または血管が狭くなって血液が十分いっていないところで致死的な不整脈が起きる(突然死)、などである。


虚血性心疾患は60歳以前なら男4女1の割合

 わが国の死亡統計(図1)では、ここ10年心疾患はガンに次いで2位にある(最近死亡診断書の書き方、病名の分類法に改訂があり死亡統計にも少し変化があったが…)。

 特に虚血性心疾患は男性に多く、60歳以前では男女比は約4対1である。働き盛りの男性を襲う成人病として死亡率も高く、たとえ死を免れても一生病院通いとなる可能性が大である。いったん発生すると本人とその家族の精神的、身体的負担はもちろんのこと、経済的には膨大な医療費がかかることになる。



図1 わが国における主要死因別に見た死亡率の年次推移
(資料 厚生省「人口動態統計」)


  
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