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虚血性心疾患
(2−2)
虚血性心疾患の予防、治療
危険因子取り除き動脈硬化の予防が大切
虚血性心疾患はほとんどの場合、冠動脈の動脈硬化が原因となって起こるため、虚血性心疾患の予防はすなわち動脈硬化を予防することにほかなりません。程度の差こそあれ、だれでも年をとると、ある程度の動脈硬化がみられますが、これを促進する要因も分かっており、危険因子といいます。虚血性心疾患にかからないために、また、すでにかかってしまっている人はこれ以上病気を進行させないで病気と上手に付き合うためにも、可能な限り危険因子を取り除くことが大切です。

高血圧、高脂血症、喫煙が3大危険因子
虚血性心疾患の危険因子には高血圧、高脂血症、喫煙、肥満、糖尿病、高尿酸血症、ストレス、運動不足、遺伝素因(家族歴)などがあり、特に「高血圧、高脂血症、喫煙」を3大危険因子といいます。危険因子は1つより、2つ、3つと重なるほど危険度が増していきます。
日常生活改善で危険度を低めること可能
逆に、危険因子を持っていても、それが是正されると危険度が低下することがわかっています。遺伝素因以外の危険因子は、生活習慣や食生活の改善、すなわち禁煙、運動、食事中の塩分,コレステロ−ル,総カロリーの制限などによって、多少なりとも是正することが可能です。
このような日常生活の改善によっても是正されない場合に降圧薬、抗高脂血症薬、血糖降下薬など薬剤による治療が必要になります。
薬物療法が効果不十分ならばバルーンなどへ
また、すでに狭心症あるいは心筋梗塞を発症している人には、これらに加えて抗狭心症薬、抗凝固薬や抗血小板薬、血栓溶解薬などが投与されます。そして、薬剤による内科治療の効果が不十分なときには、バルーンカテーテルによる冠動脈形成術(PTCA)や冠動脈バイパス術(CABS)などの観血的治療法が必要になります。
危険因子残る限りバイパスなど威力半減
これらの治療は非常に有効なものですが、危険因子が是正されない限りその治療効果が不十分であったり、動脈硬化が進行して再発を繰り返すことにもなりかねません。したがって、日ごろから意識して危険因子の是正に努めることが重要であることを肝に銘じていだだきたいと思います。
虚血性心疾患理解度テスト