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高血圧
(4−3)
放置して発生する事故の大半は治療で防げる
図2は米国のフリース教授らの研究で、高血圧患者を治療した群と治療しない群(対照群)の二群にわけ、5年間観察した成績です。図の中の重い血管系事故または死亡事故というのは脳卒中や心筋梗塞のことですが、治療しない対照群では事故の発生頻度は40%近いのに対して、治療群では5%前後です。従って、その差35%は治療によつてもたらされたものと言えます。

このことは、治療しないで放置すれば発生するはずの事故の90%近くまでは治療で防ぐことができるということを示してます。もちろん、ただ慢然と治療を受けていればいいというのではなく、治療の内容も大切であることはいうまでもありません。図3は高血圧の患者が種々の治療を受けて退院したときの血圧と15年後の生存率との関係を見たものです。入院時の血圧が高かった人でも治療によってよく血圧が下がった人は生存率が高いことが分かりますが、治療後の血圧が高い人では、血圧が高ければ高いほど生存率が次第に低くなっていきます。ずなわち、治療を受けても血圧がよくコントロ−ルされない人は平均余命が短く、適切な治療がいかに重要かが分かります。




