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NO.17

動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版 前編
― 家族性高コレステロール血症の診断と治療 〜成人から小児まで〜 ―

(2/3)

札幌医科大学医学部循環器・腎臓・代謝内分泌内科学
矢野 俊之氏


4 診断
 動脈硬化性疾患予防ガイドラインに示されている成人(15歳以上)および小児を対象とした診断基準を表1・2に示します。特に、・LDLコレステロールが180mg/dL以上(15歳以上)もしくは140mg/dL以上(小児)のかた・血縁者に比較的若年で狭心症・心筋梗塞になった方がいる(男性:55歳未満、女性:65歳未満)にあてはまる方は積極的に医療機関を訪ねて下さい。
 残念ながら、多くの患者さんは狭心症・心筋梗塞で入院した際に診断されております。発症前に診断できるに超したことはありません。LDLコレステロールが顕著に高値のかたは可能な限り医療機関を受診し精査して下さい。

表1 表2

5 治療
 一般的な脂質異常症の治療とは目標値が異なります。狭心症・心筋梗塞を発症するリスクが極めて高いことから、LDLコレステロール100mg/dL未満を目標に治療を行います(表3)。当然ながら、前編で解説した食事・運動療法は必須ですが、目標値を目指して積極的に薬剤を使用します。
 診断の時点で既に無症状ながら冠動脈に病気がある(無症候性心筋虚血)ことも十分にあり得ることから、運動療法開始前に運動負荷試験やCT検査を行うことも必要です。これまでは、内服薬が主体でしたが、最近は強力な注射剤が登場し、目標値達成が以前よりも容易になりました。狭心症・心筋梗塞を発症後に診断に至った患者さんの場合は、LDLコレステロール70mg/dL未満を目標に治療を行うことが勧められています。

表3


  
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