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NO.28 |
とかち健康フェア2003
肥満と生活習慣病 -肥満を科学する-
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*カロリーを減らすのは糖分で
この四群点数法は1点を80calとして計算しています。四群の中の1、2、3群はそれぞれ3単位(240kcal)ずつ、必ず摂ってください。それによって脂肪、蛋白質、ビタミンの必要最低限は摂ることができます。それではどこでカロリーを減らすかと言うと、第4群です。第4群の食物は主に糖分や脂分を含んでいます。具体的に言うと、ご飯やパン、あるいは間食で食べるお菓子やスナック類です。この第4群でカロリーを調節するのです。
例えば、20点、1,600 kcalでダイエットしようという場合の例をあげましょう。今言いましたとおり、1、2、3群の食物はそれぞれ3点ずつ摂りますので、必要な4群の量を知るために引き算をします。20点トータルから、1、2、3群で食べる3点、3点、3点を引いて11点、つまりこの第4群は11点でやればいいということになります。この1点が食事のどれ位の量になるかということを本日は詳しくお話できませんけれども、分かりやすい例をあげると、たとえばご飯1杯が2〜3点、パンが1枚2点、ショートケーキ1個で2点です。詳しくは、そういう栄養関係の本(書店で簡単に手に入ります。)を見ていただければ分かりますが、それを基にして献立を立てると自分に見合ったカロリーのダイエットができます。
メニュー作りが面倒だという人が多いと思うのですが、こういう方は、もし糖尿病とか高血圧とかなんらかの病気があると、栄養指導を病院で受けることが出来ます。そのためのコストは皆さんが入っている健康保険でカバーされます(3割は患者さんの負担になりますが)。普段通っている病院で指導を受けることができ、しかも自分の病気に合わせた食事でダイエットができますので、通院中の方がおりましたら是非ご検討ください。私がおります「ひがし十勝病院(平成15年11月より"十勝の杜病院"と改称)」でももちろんやっています。病気をお持ちでないない方は、保健所にいる栄養士さんと相談することができます。
*外食中心ならメニューのカロリーを覚えておきましょう
自分は外食中心なのでダイエットをやりにくい、という方は、メニューのカロリーを大体把握しておいて食事をすれば、ある程度は効果があると思われます。例えば、豚汁定食は650 kcal、蒲焼定食は750 kcal、てんぷら定食はちょっと高くて900 kcal位、幕の内弁当が690 kcal、あじフライも690 kcal、えびフライは620 kcal。そういうようなことを記載した本も書店で簡単に手に入りますので、それを手に入れることによっていろいろな食事のカロリーを知ることができます。皆さんになじみ深いラーメンについても例に挙げてみますと、普通のラーメンで560 kcal、バターラーメンで650 kcal、五目ラーメンになるとちょっと上がって690 kcalくらいです。ラーメンの場合は、払うお金と大体同じ数字のカロリーになっていると考えてもいいのかもしれません。
減量すると体力が落ちるのではないか、と言われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そういうことはありません。理想体重が60sで実際の体重が70sの人は、約10s体重が多過ぎます。これが全て脂肪であると仮定すると、10s=10,000gになります。1gの脂肪は7kcalとすると、10sの太り過ぎは70,000 kcalを背負っていることになります。私たちは大体一日に約2,000 kcal食べますから、この70,000 kcalは35日分のカロリーに相当します。ですからダイエット食でカロリーを減らしても、何ら体力が落ちるということにはなりません。もちろん、これは先程いったバランスの良い食事を摂った場合のことです。
*エアロビクスは10分以上運動継続が必要
運動も必要ですが、ここで大事なのは運動の持続時間です。運動を約10分以上継続して、初めて脂肪が燃えだします。脂肪を積極的に使う運動を有酸素運動・エアロビクスと言います。エアロビクスの効果が出るためには10分以上運動をすることが必要で、一日の合計時間として出来れば20分以上と言われています。運動の頻度としては、望ましいのは毎日です。100 kcal消費するにはどれ位運動すればいいか。普通に歩いて30分、テニスなら15分、ゴルフは15分位、水泳は一番効率がいいみたいで、ゆっくり泳いで15分。ただ、例えばテニスを15分やってのどが渇いたと言ってコーラを一缶飲んでしまうと、あっという間にこの運動で消費した分が元に戻ってしまいます。食べるのは簡単ですけれども、それを消費するのがいかに大変かということを認識していただきたいと思います。
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