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NO.17 |
悪い肥満を防ぐための食事療法
(5−3)
ここからは、悪い肥満の中性脂肪に触れます。この資料(図5)は、高脂血症の方の指導に使うものから引用したものです。中性脂肪の多いものは果物類とお砂糖、それからアルコール、まあこういったものがほとんどです。ご飯、パン、いわゆる澱粉質系のものと違い、吸収が良いので食欲がそそられますよね。カロリーも高く糖分の吸収も早いので、やはり太ってしまう。肥満の基になるのは、ご飯よりこちらなんです。ご飯は少なくしているけども、果物はたくさん召し上がるという方いらっしゃいませんでしょうか。果物は1日に1個が目安です。
お菓子、甘いものも、量が過ぎなければたまには良いのですが、やはり美味しいからたくさん食べてしまいますよね。先程の患者さんの例じゃないけれど、余っていると、もったいないということで、召し上がってしまう。
ビールや日本酒もかなりカロリーがあります。適量ですと良い効果があるんですけれど、飲み過ぎると、おつまみも多くなり、したがって塩分も多くなり、カロリーも摂り過ぎることになってしまします。アルコールには気をつけましょう。アルコールそのものも中性脂肪を上げてしまいます。特に果物の食べ過ぎに気をつけて下さい。
これがアルコールのエネルギーです(図2)。結構なものです。例えば、ビール550で215kcal。大瓶を約3/4飲んだら200kcalで、テニスなどの運動を30分位しないと消費できないカロリーです。飲んだ後の運動、ちょっとどうかと思いますけれど、飲み過ぎると肥満につながってしまいます。
間食には気をつけましょう
間食についてのお話です。皆様には、これよりもはっきりした資料をお配りしてあります(図6)。ほとんどがお砂糖の入ったお菓子類ですね。お砂糖入りの缶コーヒーは、1缶で約120kcalあります。消費するのに縄跳び連続20分間必要です。まず無理でしょう。ですから、食べただけ運動で消費しようとすれば、体に負担がかかるので、量を減らすしかないわけです。1日3食、主食があって主菜があって副菜があって、これで必要なエネルギーをまかなっているわけでありまして、間食のエネルギーは計算外です。
病院のお食事も同じです。たまたま、今週は敬老の日がありますので、特別な献立で小さな「おはぎ」を特別食の方にもお出し、しますが、普段は病院のお食事だけ召し上がっていただきます。そうでないと、治療食の効果がありません。お見舞いの方には、ケーキなどを持って来ないようにお願いしていますが、こういったものは本当にエネルギーが多いのですが、見た目が美味しそうですので、つい食べてしまいます。
エネルギーが高い分、ご飯を残してでもケーキを食べたいという方がいらっしゃるとしたら、心得違いです。ご飯には良いたんぱく質や色々な栄養素が含まれているし、さらに、噛むということがありますよね。ケーキなどはほとんど噛まなくてもいいし、短時間で、体の中にどんどんエネルギーが入ってしまう。ご飯などは、噛むことで良い効果がかなりあります。
ストレス解消の時に多少はいいんですが、間食はしょっちゅう取らないようにし、運動をした後は、お茶や水を飲み、コーヒーも(ブラックとか)お砂糖や沢山のクリームの入っていないのを飲まれると良いと思います。
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