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NO.17 |
悪い肥満を防ぐための食事療法
(5−2)
塩分薄味は肥満予防にも効果
塩分は薄味に心がけましょう。私たち日本人はお醤油の味に慣れていますし、お漬け物が美味しいし、秋になりますと、生の筋子をお醤油に漬け、それをご飯にかけて食べることが多いと思います。国民栄養調査でも、ちょうど働き盛りの40代から50代、60代が大変塩分が多くなっているんですよね。その方達は、おつき合いだとか宴会だとかでお酒を飲みながら、おつまみ類やお漬け物とかを肴にしてたくさん食べてしまう。国民栄養調査によれば、1日の塩分を15から20gくらい摂っています。
一応10g以下という厚生労働省の指示なんですけれど、病院の患者さんからは、食事が味気ないと大変苦情が多いんですよね。この中でも入院された方がいらっしゃると思うんですけれど、病院の食事が味気なく感じるのは、やはりこの塩分が薄味だからですよね。しかし、塩分も生活習慣病でして、薄味にして本当にお野菜の味、自然なお野菜の甘い味、そういったものに慣れるようにする、これも慣れですので、まずは薄味に心がけることが肥満防止にもつながります。しょっぱいものを食べると食欲が出るものですから、ご飯もたくさん食べてしまいます。先ずは、塩分薄味を心がけるだけでも肥満予防には効果があるという事になります(図1)。
それから、お酒ですね。アルコール、これは日本酒でもビールでも何でもそうなんですけど、お酒も結構なエネルギーで、1gについて7kcalもありますので、適量を飲んでいただく。沖縄は一番長寿の県ですけど、お酒は適量飲んで、お魚を食べて、豚肉も脂を落として煮て食べるという非常に効率の良い食べ方をしています。佐久間先生も、お酒はある程度は良いんだとお話されていましたけども、飲み過ぎなければかえって体に良いということです(図2)。
食事と共に気をつけていただきたいのは、運動、体をこまめに動かすことです。それと、気持ちを明るくもって目標に向かうこと。
私は先日人間ドックを受けたんですけど、ここ2、3年ずっとコレステロールも中性脂肪も高かったんですよね。で、このお話をお引き受けするに当たって、そういう甘い考えでは駄目だと思いまして、一大決心をして、運動で減らすことにしました。エクササイズにお金をかけるのは抵抗がありまして、私は古い人間なので、お金をかけないで頑張ろうと思ってたんですけど、なかなかそうはいかない。ところが、お金を払うと、行かないともったいないので頑張れる。食事もある程度減らしたんですけれども、運動を大体1時間して300から400kcal位、歩くのに約200kcal、その他の運動で200kcal位。汗をかいた後お風呂に入って帰宅、という具合にやりまして、人間ドックを受けましたら、本当に中性脂肪もコレステロールも下がったんですよね。
食事に気をつけ、運動を心がけるのがこんなに良いものかと改めて実感しました。仕事柄、言われなくても自覚しなければならないんですけれど、なかなか実行できませんでした。多分、皆さんも同じだと思うんです。それまでは、仕事を終えて家に帰ると、やれやれと思って、食べるものは果物が多くなってたんですけれど、仕事の後に運動に行くと、食べる時間がないので果物も減りました。両方良い効果があった結果が、ちゃんと血中脂肪の値が下がったということになったと思います。私の事例なんですけれど、そういうことがありました。
食事のエネルギーは脂がポイント
美味しそうなお食事ですね(図3)。お昼はポークカレー。皆様もこのようなお食事をされると思いますけれど、ポークカレーは大変美味しいんですけれど、カロリーも多く、この食事は1日分合計2629kcalもあります。コレステロールも492あります。ところが、画面の右側のお食事になりますと、1745kcal位。男の方でも、これ位のエネルギーで多分大丈夫だと思います。で、コレステロールが大変少なく140mg。これはちょっと少な過ぎますね。高脂血症、コレステロールが高い方のお食事の例なのでこのような形になっていますけれど、卵一日1個くらいはつけていただいても良いと思います。卵1個でコレステロールが250mgあります。卵は本当にコレステロールが高いんですよね。卵2個で目玉焼きとなると、コレステロールは500mg、大変多くなります。
卵は一日1個です。コレステロールが高い人でも1日1個は大丈夫ですが、非常に高い人は、卵の白身はコレステロールゼロですから、黄身を食べないようにしていただきましょう。間食にカステラとかミルク入り砂糖入りのコーヒー、紅茶を摂ると、結構なカロリーになります。食事のエネルギーを落とすには、やはり脂のところですね。「サーモンバター焼き」よりも「蒸しサーモンポン酢かけ」にする、といった具合です。この資料を参考になさって下さい。
イクラ丼です。たっぷりかかっていますよね。これだけの量だと結構コレステロールが高いですよ。イクラはそこのプリントにありますように、1回量約12gでコレステロール61となっています。大体鰤(ブリ)一切れと同じくらいのコレステロールになります。ですから、こんなに山ほどかけないで、イクラ丼にしないで、一日に大さじ1杯くらいを召し上がるのでしたら問題はないと思います。これはコレステロールの高い献立ですね。
お肉は避けたいものとなっていますが、これは脂身のついたお肉という意味です。お肉はとても質の良い蛋白質源ですから脂のないものを摂る事は大切なことです。コレステロールを含むのは脂身の所ですから、ももやヒレなど利用すると良いですね、また、しゃぶしゃぶにしたり、網焼きで脂を落として食べるといったお料理がコレステロールを少なくしますので、参考にされたらいいでしょう(図4)。
コレステロールが多いのは卵とお肉の脂です。卵は一日に1個はよろしいです。お勧めはお魚です。特に青いお魚。DHA、EPAが豊富なこれらお魚類は1週間に3、4回食べていただければ良いんじゃないかなと思います。
ちょっと一息つきましょう。ラベンダーにトンボと蜂がとまっている写真です。一緒にとまっているのが可愛かったので…。
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