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講演  No68

糖尿病と心臓病のつながり

(4/5)


三浦哲嗣氏 
札幌医科大学 循環器・腎臓・代謝内分泌内科学 教授



 心不全とは、心臓が悪いために息切れやむくみが起こり、だんだん悪化して生命を縮める病気です。
 自覚症状としては、坂道とか階段で息切れがするとか、日中の尿量が減る、手足が冷たくなったり、非常に疲れやすくなります。
 もう一つは、うっ血です。むくみが出たり、日中は尿が減っているのに、夜中、おしっこがふえるというようなことが症状として出ています。
 糖尿病との関係はどうかというと、糖尿病になると、心不全の発症率は3〜4倍になると言われています(表4)。糖尿病のない集団では、心不全発症率は1%から2%ぐらいですが、糖尿病だけの集団では、12%ぐらいという報告があります。

表4

 糖尿病になったら全員が心不全になるわけではありませんが、高血圧がある場合、狭心症、心筋梗塞、虚血性心疾患にもなりやすいのです。
 表4にインスリン使用と書いているのは、インスリンが必要となるような糖尿病歴が長い患者、糖尿病性腎症、網膜症など糖尿病の管理が十分でない患者には心不全がよく発症します。
 それでは、糖尿病を防ぐためにどうしたらいいでしょうか。
 治療方針を見てみますと、先ほど示したように、心血管病と腎臓病が進むのには危険因子があって、危険因子が血管を障害して、組織障害を起こし、さらに心筋梗塞、脳卒中、腎不全へと進みだんだん臓器が障害されていきます。
 この危険因子を予防し、心筋梗塞、腎不全による組織障害を何とか軽くし、心不全、腎不全が進むのを遅らせるために、生活指導や薬剤が使われます。本来は血管の障害や組織の障害が起こる前にとめるのが一番いいのですが、糖尿病の場合は、診断や治療が手遅れになっている例がまれではありません。
 今は、病気が進むのを遅らせる薬はたくさんあるので、早く見つければ、病気の進行を止めることができます。
 では、糖尿病治療の基本は何かというとまず、食事療法です。食事療法の三つの原則は、適量をとることとバランスをとること、また、食事時間についてもリズムを持つということだと思います。ご存じの方も多いと思いますが、1日の適正エネルギーは、男性は1,400から1,800カロリーぐらい、女性は1,200から1,600カロリーぐらいと適正エネルギー摂取量が計算されています。
 もう一つ重要なのは、量を決めて、バランスをとるということです。ビタミン、ミネラル、糖質、たんぱく質、脂質はみんな大切で、どれかをすっぱりやめてしまったら、すごく便利だというのはありません。一時期、糖質が悪いと言って炭水化物を一切食べないダイエットがはやりましたが、それは必ずしも健康的ではありません。栄養素を過不足なくとることが重要になります。

表5
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  講演   すこやかハート
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