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講演  No66

健康長寿への男女共同参画のすすめと運動

(2/3)


長谷部直幸氏
 旭川医科大学 内科学講座 循環・呼吸・神経病態内科学分野 教授



 さて、老化を遅らせて寿命を延ばす確実な方法をお教えいたします。その方法とはカロリーを制限することです。
 この方法の効果を検証するためネズミを使い、ある実験をしました。ネズミを半分に分けて、片方は食べたいだけ食べさせ、もう片方は3割餌をカットして満腹にはならないようにして育てました。そうすると餌を減らされたほうが数カ月確実に長生きしました。
 しかし、寿命の短いネズミでははっきりしないといわれましたので、つぎにアカゲザルという種類の猿で実験をしました。平均寿命は約25年で、同じように用意ドンで半分は食べたいだけ食べられる、半分は3割餌をカットして育てる実験をしたところ、餌を減らされたほうが7年長生きしました。人間に近い猿なら信じていただけると思います。
 このことからカロリーを制限すると寿命を延ばす効果があることが証明されました。もっとも日本では昔から腹八分目は長寿の秘けつと言われてきました。
 心臓や腎臓、肝臓の病気になるとむくみを起こしますが、私の病院で外来に来た患者さんは必ず目の前の体重計に乗ってもらって、数値を私と患者さんで確認します。なぜなら体重をはかることがこのむくみを知る一番敏感な方法だからです。
 日本人の死因の5番目まではがんと心疾患が男性も女性も1位、2位です。3位、4位、5位は順位が変わりますが、中身は同じで肺炎と脳卒中と老衰です。血圧、血糖、脂質をコントロールすると病気は予防できます。

 この図2は、日本人はどういう要素で死ぬのかということを示しています。1位がタバコです。タバコで亡くなる方が年間約13万人います。この青色の濃いところががんです。ピンク色は心臓血管病です。2位の高血圧は心血管病のリスクになりますが、タバコもその原因でもあります。そして、この薄い水色は、呼吸器疾患、つまり肺が壊れるということです。タバコと高血圧が突出しているので、この二つを何とかできたら、日本人は死ななくなるかもしれないと思うぐらいのインパクトがあります。

 タバコが悪いことは皆さんご承知だと思いますが、この1本の中に有害物質で4,000種類、発がん物質で200種類が含まれているというデータがありました。
 実際にタバコを吸えば吸うほど心筋梗塞や突然死で亡くなる方は多くなります。突然死などは、大半が心筋梗塞とも言われています。
 心筋梗塞になる原因について男女別で見ると、高血圧によって心筋梗塞になるのは男女とも同じぐらいです。しかしタバコが原因の場合は圧倒的に女性が多くなります。これはもともとタバコを吸っている女性が少ないこともありますが、男性より女性のほうが喫煙の影響が大きいと考えられます。40歳代で心筋梗塞になる女性はほとんどいないのに、タバコを吸っている女性は心筋梗塞になる確率が高いのです。
 いま社会で問題となっている受動喫煙とか不本意喫煙について説明します。お父さんは自分がタバコを吸って早く死ぬからいいと言いますが、そのそばでお母さんと子どもが吸う煙、副流煙のほうがもっと有害なのです。ニコチン、タール、ニッケル、カドミウム、一酸化炭素などの毒物がたくさん含まれている煙が原因で、20人に1人は他人のタバコで死ぬとも言われています。
 次に日本人の死因の2番目である高血圧の話をいたします。血圧が高いと動脈硬化が進みます。動脈硬化が進むと血管が詰まりやすくなり脳卒中、心筋梗塞、腎不全の症状がどんどん進みます。

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