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講演  No64

心疾患と運動

(5/9)


絹川真太郎氏
北海道大学大学院医学研究科 循環病態内科学講師



 さて、運動をすると何がいいかというと、例えば高血圧の人は高血圧の改善が期待できる、あるいは糖尿病になりかけの人、あるいは糖尿病の人は、インスリンの働きがよくなります。そして、コレステロールが高い人もコレステロールの改善ができます。このように、動脈硬化の危険因子の改善ができます。さらに、肥満の人も肥満の改善の役に立ち、血管の機能が悪くなった人も血管の機能を改善することが知られています。
 もう一つは、精神面の改善です。家の中でずっと過ごしていると気分的にも落ち込んできますが、精神面においても改善できます。このように、非常に多面的な要素を持っていて、最終的には、生活の質を改善したり、あるいは寿命が延びるということも知られています。実際に有酸素運動を毎日続けたグループと、余り運動をせずに家の中で過ごしたグループを見てみると、運動したグループのほうが明らかに長生きすることがデータで証明されています。
 運動療法は、心臓病の患者にもいろいろな効果があります。身体的な効果、体が元気になり、心臓の働きも若干よくなり、精神的な効果もあります。気分がよくなり、自信が出てきて、前向きな思考になってきます。2次予防効果と言って、生活習慣病を改善する、心不全悪化の予防、心筋梗塞の予防など、多面的な効果をもとに寿命の延長、症状やQOLという生活の質の改善が望めます。
 北海道大学病院でも、実際に心臓リハビリテーションを行っています。(図6)右の人は外来患者で、左の人は入院患者ですが、スタッフが横につきながら、適切な運動処方のもとにやっています。1回定着すると、5、6年続けている外来患者もいます。
 心臓リハビリテーションができる施設は北海道の場合、札幌にかなり集中しており、その他の地域では十分ではありません。心臓リハビリテーションがどこでもできるような医療環境にしていかなければいけないだろうと考えています。
 心臓リハビリテーションは保険適用できるのは虚血性心疾患の患者、心不全の患者、心臓の手術を受けた患者、あるいは血管の病気を持つ患者です。

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  講演   すこやかハート
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