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講演  No64

心疾患と運動

(2/9)


絹川真太郎氏
北海道大学大学院医学研究科 循環病態内科学講師



 これまで話したように、心臓というのは、毎日、大変な仕事をしています。そのうえ病気によっていろいろな負担がかかっていくと、心臓の筋肉がどんどん弱っていきます。その結果、心臓がポンプとしての機能を十分に果たせなくなった状態が心不全です。
 では心不全とはどのような状態かをポンプで表したのが図1です。ポンプは、地下から水をくみ上げて、庭に水をまく作業をします。正常なときにはどんどんくみ上げ、庭に水を十分まくことができます。しかし、ポンプの調子が悪くなるとくみ上げ切れず庭に十分に水がまけない状況になり、そのうえポンプの廻りには水がたまります。
 これを心臓に見立てると、心臓のポンプが弱ってしまうと、体の中に水がたまります。肺に水がたまれば息が苦しくなり、足や体に水がたまるとむくんできます。それから心臓が全身に十分に血液を送り出すことができないと何となく全身がだるくなったり腎臓や肝臓の機能が悪くなったりします。
 では、つぎに心不全の症状を説明します。体の血液が滞ってしまうと地下水がたまっているような状況です。それによって起こってくる症状として体重が増加します。短期間に急に体重が増えます。何年もかけて増えるのではなく、非常に短期間で体重が2、3キロ増えてしまったときには注意が必要です。また、昼は余りおしっこが出ないのに、夜間になると増える場合や、食欲がなくなったときです。それから、ここが一番わかりやすいのですが、両足がむくんでしまうといったときです。また、夜に寝ると、息が苦しくなって起き上がらないといけない、こういったときは心不全による症状かもしれません。
 そして、もう一つは、全身に血液が十分に送れないときに起こる症状で、今までは上れた階段が上れなくなったときです。それも10年前、20年前と比べるのではなくて、例えば半年ぐらい前にはこれぐらいはできたのに最近はできなくなったときには、心臓に問題がある可能性を考えなければいけません。
 心不全ではなくても日中に尿量が減る、あるいは手足が冷たい感じがする、全身に倦怠感がある等の症状は、心不全悪化のサインの可能性があります。

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