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No59 |
長寿のヒント
(7/7)

長谷部 直幸氏
旭川医科大学 循環・呼吸・神経病態内科学 教授
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テレビで何回か紹介されたことがあります静岡県の青森千代美さんという方が、高齢者を集めて自分達で高齢者のための弁当を作り、宅配をする事業をしています。また、東京の東池袋に65歳以上の方だけを採用している「おばあちゃんの定食屋」という店があるそうです。
講演の冒頭でお話しました日野原先生は、3年先までスケジュールが埋まっているそうです。確かに、3年後の何月何日に予定があれば、死んでいる場合ではありません。お元気なわけです。日野原先生が来られた時に「先生がこれからやってみたいものは何ですか」と質問しました。すると即座に「ゴルフです。ゴルフを今から始めればエージシューターになれそうだ」と言われました。ゴルフというものは18ホールを72で廻るもので、自分の年齢より少ないスコアで廻るとエージシューターと呼ばれます。日野原先生は100歳を超えているので、100を切れる気がすると言うのです。是非このような100歳を目指したいと思います。
最後に江戸時代に尾張藩の横井也有という人が作ったという「健康十訓」のお話をします。一が肉を少なく野菜を多く摂り、二が塩分控えめ、酢を使う、三は砂糖を控え、果物を摂り、四は少量の食べ物をよく噛み、五は薄着で清潔にし、六はよく歩き、七はクヨクヨしないでよく眠り、八は怒らず、笑いなさい、九は理屈を言わずに、行動し、十は余り欲しがらずに人に施しましょう。大変よい十訓だと思います。
今日はここまで話してきて、少しぐらいためになることがあったのではと思いますが、長谷部の話を何も覚えていないということがよくあります。聞いている時はためになったと思うのですが、帰ってみると何も覚えていないことがよくありますが、そんなことでクヨクヨしてはいけません。これは赤瀬川源平先生のいうところの「老人力」がついたのです。「悔しい」とか「あいつを殺してやりたい」と思うようなことを忘れることはなかなかできませんでした。ところが、今や、何の努力もしないで忘れることができるようになったのです。これは凄いことだとご自分を褒めてあげてください。
今日は長時間お話をしましたが、一つか二つ、皆さんにとって長寿のヒントになればと思います。どうもありがとうございました。
座長・三浦 哲嗣先生(札幌医科大学循環器・腎臓・代謝内分泌内科学講座 教授)
本日は日本でも珍しい大学で三つもの講座の教授を務め、多忙のなか教科書や一般診療のガイドラインを多く執筆されている長谷部先生による「長寿のヒント」というお話でした。
テレビやラジオでは、このサプリメントを飲めば健康になるという効き目の怪しい番組が溢れております。
しかしこの「五つの長寿のヒント」は本当に効きます。どうか今日の長谷部先生の話を覚えておいて、ご自分の生活スタイルにあわせ、是非「健康長寿」を達成していただきたいと思います。
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