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No58 |
ノーベル賞と私の健康法
(6/8)
鈴木 章氏
北海道大学名誉教授
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ノーベル賞受賞者には、重要なことが二つあるのです。一つは、10月8日にノーベル賞の受賞講演をしなければいけないのです。これが、そのときの私の講演です(写真2)。タイトルは、「クロス-カップリング・リアクションズ・オブ・オルガナボランズ:アン・イージー・ウェイ・フォー・カーボン-カーボン・ボンディング」というタイトルにしました。もちろん、日本語でもいいのでしょうけれども、日本語で発表したのでは誰もわかりません。また、ノーベル委員会からその前に連絡があり、ノーベルレクチャーの出席者は、化学の専門家ばかりとは限らず、高校生や大学生、あるいは、一般の人もたくさん来るから、どんな仕事で賞をもらったかをわかりやすく説明してほしいということでした。ですから、こういうタイトルにしてお話をしたわけです。
そして、最も重要なのは、12月10日、ストックホルムの音楽堂で行われる授賞式です(写真3)。このステージの左側最前列に9人の受賞者がいます。そして右側最前列にスウェーデンの国王グスタフ16世陛下、皇后陛下と王女のクラウンプリンセスがおられます。スウェーデンには、国王がおりまして、王子が王位を継承することになっております。しかし現国王になってから、性別にかかわらず第1子が次の国王になるとしました。この国王夫妻の場合には、王女が第1子なので、王女が次の女王となるのです。この王女のことをスウェーデンではクラウンプリンセスと言います。王冠をかぶる王女ということです。
それから王室関係の方がおり、スウェーデンだけではなく、ヨーロッパのいろいろな国の大臣や財界、外界の代表者が並ばれます。客席側には、一般の人が並んでいるわけです。各受賞者は、1人ずつここへ来て、国王からノーベル賞のメダルと賞状をもらいます。
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