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No49 |
脳いきいき、笑顔で健康
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輪嶋 直幸氏
私がテレビで「おかあさんといっしょ」などをやっていたのはもうかなり前ですが、その頃「ビューティフルサンデー」を歌っていた田中星児さん知っていますか?もうおじさんですけれども、小鳩くるみさんとかそういう時代で、子ども番組が沢山あった頃です。「ピンポンパン」や「ポンキッキ」というのもありました。うつみ宮土理さんも同じ時期です。「キンキン」こと愛川欽也さんの奥さんケロンパでおなじみ、まあそんな時代をずっとやってきました。その後「おはようございます、ラジオ体操第一」というのをやっていた頃、腕、肩の筋肉を断裂したりしました。その後、私は心筋梗塞になりましたが心臓医の先生たちに助けてもらって、もう一度いただいた命です。心臓の血管3本を取りかえまして、今はこのように元気になりました。
さて、会場の皆さん、“今元気な方手を上げて!”― 意外と少ないですね?では、“「私は健康だな」と思っている方!”、“もうお迎えを待っている人!”(笑)。私もまだ毎月2回病院に通っているんですよ。心臓・動脈硬化とか血がサラサラとか血管を調べたりしていますけれども、やはり自分自身で健康な体をつくりたいとか、もうちょっと人生を楽しみたいとか、そういう思いがあるから元気でいられると思います。
さて、ゲンコツ二つ。さあ、これは何の大きさでしょう。「心臓」?心臓は握りこぶし1個くらいですよ。こんな大きな心臓があったら大変です。心臓は24時間休みなしで動いてくれています。感謝しなくちゃいけません。今インフルエンザがはやっているけど、私たちの体を守ってくれるNK細胞というナチュラルキラー細胞が、24時間お巡りさんのごとく体じゅうぐるぐる回っています。これを元気にするために、心臓も元気にするために。実はゲンコツ二つは脳の大きさです。“まだ脳残っている人!”(笑)。― もう私には無いでは困るんですけどね。この脳、大体男性は1,400gくらい、女性は1,250gくらい。ちょっと女性のほうが小さくて軽いのですけど、機能的には女性のほうが優れていますね。右脳と左脳があって、それを結んでいる脳梁というのが女性のほうは太いんだそうです。男性のほうが細々と繋がっている。だから、男性的な脳、女性的な脳という特徴があるんです。また年齢が高くなると、ますます頑固になったり、意固地になったりしてくるんです。
脳を育てる前向きの姿勢
この脳、一番最初に減っていくのが前頭葉です。大体二十歳くらいからが目安で、1秒間に1個の割合で脳細胞が死んでいくそうです。だから、ここにいる人は明かりが消えかかっている人ばっかりが集まっている(笑)。1秒間に1個ですよ。そうすると、1日で約8万6,400個減っているんですよ。その減っているのを止めることはできないんです。残り少ない人生をどういうふうに生きようか。今までは脳細胞というのは「死んでしまったらあきらめな」だったんですけれども、でも最近の脳科学では新しく生まれてくることがわかったんです。そこは海馬というところで。でもそれがうまく育てられないんです。 その時に皆さんのやる気、チャレンジしてみようという前向きの姿勢、そういう気持ちがある人は育つらしいんですね。「まあいいや、めんどくさい、何もやりたくない」っていう人は駄目なんですよ、それと引っ込み思案の人は。だから、今日ここにいらっしゃる方は最高です。ここまで来るだけのやる気がある、健康に関心があるという人たちが集まっているから、細胞の芽が増えているかもしれない。先程言いましたように最初に駄目になるのが前頭葉、やる気の脳です。意欲の脳です。頭頂葉、側頭葉、後頭葉、その脳をまとめているのがこの前頭葉です。だから監督みたいなものです。要するに見たり聞いたり触ったりしたことがここでまとめられるんです。そして、やる気を起こすんです、やってみたいなとか。
A10神経というのがあります。もう今は脳も番号がついているんですね。そのA10神経は何かというと、好きだ、嫌いだというのがここなんです。A10神経で好きなタイプ、嫌いなタイプというのがインプットされるのは3歳頃といわれています。皆さんはもう手遅れですからね(笑)。3歳の時に好きだ、嫌いだがインプットされて、「あっ、あの人すてきだわ、お茶飲みたいな」、「あっ、これ興味がある、やってみたいな」とか。今恋愛している人、そういう人は若いんですよ、ここが(前頭葉)。でもここが一番最初に駄目になってくるんです。
その次駄目になってくるのが横の部分の側頭葉だそうです。それは記憶をつかさどっているんです。皆さんは昨日の夜、何食べました?「うー、あー」じゃ駄目ですね。何を食べたか、パッと出てこないといけない。昨日は何をした、明日はこれをして明後日はこれをしてと。皆さん大丈夫ですか。今日は何しよう。起きたら何したらいいんだろう。ずうっとテレビをカチャ、カチャこれじゃ駄目なんです。ここをしっかり使って、そして運動して心肺機能も元気にして、心臓も元気にしていかなくちゃ脳が駄目になってきます。
男性の脳、女性の脳、それぞれ特徴があります。男性的な脳、テレビを見ているとほかの話が入ってこないのは男性的です。だからお父さんが野球を見 て、ダルビッシュが勝った勝ったとやっている時、お母さんが「あのね、隣の奥さんがあのね」と話しても聞いていない。そういうのが男性的な脳の特徴 です。女性的な脳は違います。女性はテレビを見ながら電話もかけてご飯も食べられる脳ですからね、マルチの脳なんです。それを知ってこれから先つき 合っていかなければいけない。
それとあわせて男性脳というのはプライドが高いです。だから、「あなたってすてきよ」とヨイショしていると、「そうだろう」っていつまでも頑張っ てくれる。「あんたって駄目ね、だらしがない、臭いわね」と、こうやっていると駄目になってくる。だから旦那を早く逝かすのは簡単、いつもグジグジ 言っていじめていれば早く逝きますからね、心臓病じゃなくてもね(笑)。そういう脳なんです。
そして、男性脳は結論を出すのが早いんです。「どうしましょう」と言うのが女性脳。「こうしなさい」と言うのが男性脳なんです。女性脳は決して結論を求めていない。女性脳はああだこうだと、とにかく話を聞いてくれればいい脳なんです。それで最後にちらっと結論を言うんですけど、だから電話が長い。関係ない話をずっとしておいて、どうする、明日何時に会うって、そういう話になってくる。男性脳はすぐパッと用を聞いたらガチャッと切る。女性脳は色々悩み事があった時でも、友達や仲間、家族に話していれば気が晴れる。男性脳は絶対話さない。仕事のことでも会社でうまくいかない時でも、家には持ってこない。グジグジ言わない。それが男性的な脳の特徴で、「あなた私たち夫婦でしょう、心配事があったら何でも言ってよ」、「うるさい、これはおれの問題だ」ピシャッと自閉的に自分で囲いをつくっちゃいますからね。そうすると脳もストレスでどんどん駄目になってきます。
例えば女性脳は地図が苦手です。だから地図をぐるぐる回しながら、歩く方向に向けて歩かないといけない。男性脳はある程度脳の中で理解しているん です、立体的なものも。それとか、女性が「ねえあなた、この服買ったの。どう、似合う?」と言った時に、男性が「みっともない」と言うと喧嘩ですよ。「おっ、いいじゃない。若くなったよ」と言っていると、奥様グーですね。「そうでしょう、安かったの、イチキュッパ」と、こうなるんですよ。「あわせてこの靴も買ったの。どう、似合う?」「若いよ。絶対いいね」と言っていると、女性はニコニコしてお小遣いがポーンと増えますね。それが「いい年して、そんなのみっともないからよしなよ」と言うと、プチッと切れて、口もきかなくなって、ご飯のおかずも1品、2品とだんだん少なくなってきます。みそ汁がしょっぱくなってきたり、塩気がどんどん増えて早く逝かせよう逝かせようとしますからね(笑)冗談ですよ。そうならないように、そういう男性的な特徴、女性的な特徴を知ってコミュニケーションをとるのも全部この脳の働きです。
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