北海道心臓協会

　No49

脳いきいき、笑顔で健康
（5／5）

　1、10、「100」、百点満点。自分流を早く見つけてください。ここにいらっしゃる方それぞれ健康の考え方も違うし、健康になる方法も違うと思います。歩く方もいれば、買い物をする、ゲートボールをする、いやスキー、テニス、ゴルフをすると、それぞれ自分の健康法というのは持っていると思います。そういう健康法、自分ができることをするのが大切です。だって私たち遊ぶの大好きですから。仕事も好きだったらいいんですが、やっぱり苦手なこと、言われたことをやるというのは非常につらい。自分が積極的に好きなことをやるのが元気のもとですから、自分の好きな道をきわめてください。苦手なほうを一所懸命トレーニングするよりは、自分の得意なこと、好きなことをたくさんやるようにすると楽しいし長続きします。
　1 、10、100、「1000」。千書、1 日1000字を書いてください。今はみんなパソコンでカチャカチャと変換するからだんだん書くことが少なくなってきました。だから漢字がわからなくなって、クイズ、日本漢字検定とか、色々そういうのがはやってますね。

　「万歩」。万は歩く、1日1万歩歩きましょう。これは普段の生活以外で300Kcalくらい使うようなことを考えて出た数値です。歩くというのが一番無理のない、皆さんが取り組みやすい健康法だと思います。生活の中で遊びながら健康づくり、脳を刺激することは色々ありますので、ぜひそういうものを自分で見つけて自分流の健康づくりをしてみてください。

　そして最後は笑顔でしょう。“はい、皆さん笑って！”― なかなかできないんですね。引きつってますよ（笑）。それでは皆さん手を出して、表情筋というのを前から後ろにこすって軽くたたいてください。逆にやると豚になりますからね（笑）。こめかみをぎゅっと押さえて、瞳を右、左、右、左…。これ老眼防止の体操です。視野が狭くなってくるんですよ。瞳をぐるりと回す。しっかりぐっとこのツボを押しておいてグリグリグリグリ。そしてまぶたを上からすっと軽く押さえてぱっと取るんです。明るくなります。下から、二重あごをとるようにして、ほっぺたをキュッとつまむんです。笑顔というのは、目が垂れていて口元がきゅっと上がっているのが笑顔ですからね。目をつり上げて口元が下がったら怖いですよ。笑顔がすてきだったら最高じゃないですか。

　皆さんは子供が学校から帰ってきた時、お帰りと言ったと思います。その時ニコッと笑ってあげましたか。「お母さん、ただいま」、「お帰り、宿題は」。これでは会話なくなっちゃいます。ニコッと笑って「お帰り」。ニコッと笑ってあげると、「あのね、お母さん、学校でね」という話になる。お父さんだってそうでしょう。仕事へ行って帰ってきた。「お帰り、また飲んできたの」、「おまえら家族のために仕事して付き合いも仕事」と喧嘩になってくる。それが、「お帰りなさい」とニコッと笑ってあげれば、あぁ仕事してきてよかった・感謝されてると、「俺もう一回仕事行ってきま～す」と、こうなる（笑）。それだけ笑顔の効果というのはあるし、本にも書かれているように笑うことでナチュラルキラーというのが、活発になりがん細胞などをやっつけてくれるんです。脳からいっぱい良いホルモンが出るように、体中に指令を送っていただきたいのです。

　家の中で一人すてきな笑顔がいたら、家の中笑顔がいっぱいあふれるんですよ。中心人物がいつもしかめっ面をしていると、家中が暗くなっちゃうんです。そういうのも脳からの指令ですので、ぜひ脳を若返らせていつも笑顔で「おはよう」、「こんにちは」、いっぱい挨拶をしましょう。そうすると自然に体を守る免疫能力、免疫力というものが高まってきますので、インフルエンザなんかポイポイですよ。その「免疫さん」が休んじゃうとサボり癖がつきますから、休ませないように適度に刺激を与えて活性化できるように、脳のほうからいっぱい指令を送っておいてください。

　ということで、脳、少し元気になりましたか。今からでも遅くない、今からでもできるんです。あきらめないで、ちょっとやってみようかという気持ちを起こしてください。今からでもいいから健康になりたい、今からどこか温泉に行きたい、そういう期待感があると人間元気になるんです。先に何もなかったら駄目になりますからね。ちょっと先に楽しいものをつくって、人生をこれから先もどんどん楽しんでいただきたいと思います。

＜座長・菊池健次郎先生（北海道心臓協会副理事長、旭川医科大学名誉教授）＞

　この1時間のご講演の間、常に笑顔で過ごさせていただきました。また、ご出席の皆様も脳を生き生きとする色々な方法を学ばれたのではないでしょうか。私も舞台で体操を致しましたが、できるつもりでおりましたが、やってみますとなかなかうまくできませんでした。これからでも遅くないと輪嶋先生はおっしゃっています。諦めないで前向きに、そして笑顔で過ごそうではありませんか。