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NO.9

末梢動脈疾患について

(2/3)


旭川医科大学
循環呼吸医療再生フロンティア講座
特任准教授 住友 和弘氏


2 臨床症状

(1)下肢の色調不良、冷感、筋萎縮がある。
(2)安静時にも下肢が痛む。
(3)皮膚に潰瘍や壊疽ができる。
(4)間欠性跛行:運動によって下肢にだるさ、痛み、こむら返りを感じ、休憩すると速やかに改善する。部位としてはふくらはぎに出現することが多いが、太ももや臀部に生じることもあります。腰部脊柱管狭窄症でも間欠性跛行が出現しますが、脊柱管狭窄症では、休憩後回復までの時間が長く、立位では症状増悪し、腰椎屈曲で症状が緩和します。
(5)重症下肢虚血:安静時に虚血性疼痛や潰瘍・壊疽などの虚血性皮膚病変が認められれば重症下肢虚血といいます。

3 診断・検査

(1)下肢の潰瘍、壊疽、創傷の観察:虚血性潰瘍は、足趾、足関節外果部にできやすい。
(2)末梢動脈触知:両側大腿動脈、膝窩動脈、足背動脈(写真1)、後脛骨動脈の拍動を確認する。
(3)足関節上腕血圧比(ABI):0.9以上正常、0.9未満狭窄疑う。
(4)皮膚組織灌流圧(SPP)検査:レーザードップラーを用いて皮膚の毛細血管レベルの血流を測定する検査。SPP 40mmHg以下で異常と判断する。
(5)下肢動脈エコー:超音波を用いた動脈の狭窄、血流を調べる検査。低浸襲なため、ABI低値の場合行う。(写真2)
(6)造影CT、MRI、MRA検査:病変の部位診断、3Dでの画像構築で狭窄の性質、動脈瘤評価も可能。治療戦略を立てる上で重要。造影CTは造影剤を用いるため腎機能の悪い人には行えない。(写真3)
(7)血管造影検査:カテーテルを用い造影剤で血管を写す検査。

写真1 写真3
写真2

 


  
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