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NO.8

心臓核医学検査とは
(3−1)


札幌医科大学 医学部第二内科 講師 中田 智明



 心臓病の診断には、X線CT、超音波(エコー)法、MRI、カテーテル法などの検査が用いられていますが、最近はラジオアイソトープ(放射性同位元素)を使った核医学検査が普及してきています。この方法は、安全性が高く、肉体的な負担が少ないため、乳児から高齢者にまで適応でき、形態診断のみならず、さまざまな機能診断も可能となるなど、多くの優れた特徴があります。いま注目の心臓核医学検査を紹介しましょう。

ラジオアイソトープ(放射性同位元素)とは

 ラジオアイソトープ(放射性同位元素、RI)とは放射線をだす元素のことです。100年前にベクレルがウランを発見したことに始まり、以後科学の進歩に多大に貢献してきました。

 医学の分野では血液中の微量物質(インスリン、甲状腺ホルモン、女性ホルモンなど)の測定から、画像診断(シンチグラフィ)、そして治療へと広く応用されています。放射性同位元素を最も平和的かつ安全に医学に応用した分野を総称して核医学と呼んでいます。

心臓の画像診断とは

 最近の画像診断は技術の進歩から急速に普及してきています。画像診断とは生体内の臓器、病巣を解剖学的あるいは機能的に目に見える形で描出し、診断する方法です。

 簡単な手のX線撮影にはじまり、現在ではX線CT(コンピュータ断層法)、超音波(エコー)法、核磁気共鳴イメージング法(MRI)、各種ヨード系造影剤を用いた血管造影法そして、極く微量のラジオアイソトープを用いたシンチグラフィがあります。

 診断を目的に、心臓をはじめ脳、肝、腎、副腎、骨、肺、消化管、腫瘍(しゅよう)・炎症巣などに特異的に集まるγ(ガンマ)線を出す薬(ラジオアイソトープ、放射性同位元素、RI)を注射し、その放出されるγ線をシンチカメラでとらえて画像化する方法をシンチグラフィといい、各種生体情報を機能(動態)画像(シンチグラム)として描出します。この方法を心臓の画像診断に応用したのが心臓核医学検査です。

 しかし古来、最も神秘的かつ生命の証として重要視されてきた心臓は、病気の診断−ことに画像診断−においてはいつも後回しにされてきました。これは後述するように、心臓は生体の中では色々な意味で非常に特殊であるため、今日まで科学技術の進歩を待たねばならなかったためです。

 心臓の特殊性は脳の解剖学的特徴と比較すると簡単です。脳は脳室と脳実質が左右対称でほば均一、頭蓋骨と硬膜に囲まれ、身体の中心にあり、動いていません。では、以下に心臓の特徴をまとめてみましょう。


  
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