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NO.6

ペースメーカー
(4−1)


北海道大学医学部 
循環器内科 
四倉 昭彦
北海道大学医学部 
循環器内科
櫻井 正之


 ペースメーカは脈の遅い患者さんを治療する目的で現代工学の粋を結集して作られた精密医療機器です。その信頼性は非常に高く、現在日本では年間約2万人以上の患者さんがぺースメーカの植え込みを受けています。

 本稿ではすでにペースメーカの植え込みを受けた、あるいはこれから受けようとする患者さんがぺ−スメーカをよく理解できるよう、前半は「心臓のしくみ」と「どういう病気になるとペースメーカが必要となるのか」を、後半では「ペースメーカはどういうものか」と「生活する上での注意点」を解説します。



1日10万回の拍動

 心臓は血液を全身に送るポンプの役割を持つ重要な臓器です。血液には酸素がヘモグロビンと結びついた形で含まれていますので、全身の組織が酸素不足とならないように、心臓は1日に約10万回程度拍動し、全身に血液を送り続けています。

 もし、この拍動数が大幅に減少した場合には全身の組織は酸素不足の状態に陥ることになります。中でも脳は酸素不足に最も敏感で、5秒以上の心停止では失神発作が出現する危険性がありますし、5分以上の心停止では脳に重大な障害を残すことになります。

全身に効率よく血液送る

 心臓はこぶし程度の大きさの筋肉でできた袋で、中には4つの部屋があります(図1参照)。この4つの部屋は大別しますと心房と心室の2つに分類されます。心房は全身から戻ってきた血液を一時的に貯えた後、血液を心室に送り込むサブポンプで、薄い筋肉からできています。

 一方、心室は全身に直接血液を送り出すメインポンプの役割をはたし、力が強く、厚い筋肉でできています。心臓が一定のリズムで心房(サブポンプ)−心室(メインポンプ)の順番に収縮を繰り返すことにより、血液は全身に効率よく送り出されます。

 もし心房の収縮が停止した場合はどうかといいますと、血液を送り出すメインポンプの役割は心室ですので、多少の効率の低下はありますが、心室が1分間に収縮する回数(心拍数)が保たれていれば、全身の血流には大きな影響はありません。手首でとれる脈はこの心室の収縮を感じるもので、脈が少ないというのは多くの場合心拍数が少ないことを意味します。



  
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