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NO.5

きつさの指標
(2−1)


札幌市中央健康づくりセンター長 西島宏隆

 これまで運動とその効果についていろいろ書いてきました。効果をだすためには前回も書いたように、運動の強度は非常に重要な点です。しかしまた運動の副作用、危険度という点からみてあまりきつい運動は健康づくりにはすすめられません。どのようなもの(指標)を参考にすれば運動の強度がわかるのでしょうか。

 最もよく使われている指標は症状です。すなわち自分がどの程度きついと感じているか、どの程度息づかいが荒くなっているかということです。これは確かに最も基本的なことですが、しかし主観的すぎるという欠点があります。血圧値やコレステロール値のように数値で表され定量的なものはないでしょうか。

 それが心拍数(脈拍数)です。不整脈がなければ通常この二つは同じものと考えてさしつかえありません。数字で表わされるものは変化をみたり、比較したりする時に便利です。ではどうやって運動中の脈拍をみるのがいいのでしょうか。

■手首の脈をとり、脈拍数を出す

 最も簡単で一般的な方法は、今やっている運動を一時とめて手首の動脈(橈骨動脈)の脈拍数を10秒測って6倍して1分あたりの脈拍数をだすという方法です。医者が脈をみるのと同じ方法です。

 欠点は運動を一時中止しなければならないことです。また運動を中断するので測っているその10秒間にもう心拍数が減ってきます。欠点はありますがこの方法は自分の健康のためにもぜひ慣れておきたいものの一つです。

 脈はバイタル・サイン(vital signs 最重要な徴候)と呼ばれ古くから医者が医学的判断に使う最も基本的な手技です。脈拍数だけでなく、不整脈のでている時、血圧が下がっているかもしれない時など救急の時にとても役に立つ手技です。

 一般の人でももちろんマスターできるわけですが、しかし普段から慣れておかなければ正確に使うことはできません。ぜひとも、自分はもちろん家族、友人などで練習させてもらって手技をマスターしておきましょう。

■耳を軽くはさむ心拍計

  フィトネスセンターなどに行って、エアロバイクをこぐ時にはたいてい耳に軽くはさむ心拍計をつけます。耳たぶにきている血液の拍動性を利用して心拍数をだすものです。これはエアロバイクなどのように、体があまり振動しない場合にかぎって正確にはかれます。

 エアロバイクを主力に運動している人はおおいにこれを活用して心拍数と運動の自覚的強さ、自分で調整できるバイクの重さ・抵抗(負荷量=ワットという仕事率の単位で示されています)との関係を良く把握しておきましょう。

 以前と同じ負荷量でこいでいるのに心拍数が以前程あがらなくなり、運動そのものが楽になってきたら、もっと体力をつけるのには負荷量を上げるのが正しい心肺トレーニングです。維持の目的であればそのままで結構です。

 しかし、この心拍計では、歩いたり走ったりする時には振動による雑音がはいってうまくいきません。指先につけるものも同様です(同じ方式でもいいものが開発されつつあるのは聞いていますが)。

 また耳や指などの部位の血流は運動がきつくなると収縮して、検出の対象である血流が低下しセンサーがうまく働かなくなる傾向にあります。運動があまりきつくなく適度であれば、うまくいく可能性は高くなるでしょう。
 また指、耳などの血流は温度にも敏感です。寒くなると極端に血流が落ちてしまって、これも検出不可能ということになってしまいます。


札幌市中央健康づくりセンター


  
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