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NO.17 |
生活習慣病から身を守る薬の正しい使い方と注意点
(4−1)
北海道薬剤師会常務理事 清水 良夫
今度は薬の面から生活習慣病について取り組んでいきたいと思います。今、中田先生が生活習慣病とその危険因子となる高血圧、その他の病気について分かりやすく説明され、さらに質問では日常生活の心構えまで触れていただきまして、生活習慣病に対して大変よい勉強になりました。私は薬剤師という立場から、それに使われている薬について、お話します。
実は患者に薬のことを知らせるようになったのは数年前なんですね。それまでは、薬袋、薬を入れている袋の記載事項に薬品名は入っておりません。現在もなっていません。これは「患者に薬の名前を知らせない」という基本的な考え方があったんですね。ところが、法律が変わりまして、「薬剤師は薬を渡す時に薬の情報を提供しなさい」というふうになりました。
自分が飲む薬の正体を知りましょう
昨年市立病院でも分業が始まりました。院内処方箋を持って薬局へ行きますと、薬剤師が処方された薬について説明をしてくれます。さらに今年から「お薬手帳」というのが普及されていまして、保険も適用されているんですけど、処方薬をきちんとここに書いてあります。北海道も地域的にボランティアで、前から患者に負担をかけないでやっていました。今年(2001年)4月から保険が適用になったのです。そういうふうに患者が使っている薬について知らせるようになったのです。薬局で教えてくれなければ聞きなさい、「ゲット ジ アンサー」と言って、これはアメリカの思想です。日本も徹底してきていまして、どういう薬を飲んでいるかということを患者自身も知っておくことが大切です。
薬の包装には、2年位前までは記号しか書いていませんでした。薬剤識別事典なんて言う厚い本が一般に売られていまして、ベストセラーでした。患者はそれでしか薬の情報を得られませんでした。これでは患者にとって不親切なことです。現在はこれにも名前が書いてあります。これはアユギナーレとカタカナで書いてあります。1錠何10ミリと、そこまで患者さんに情報を提供しています。これはやはり患者さんは自分の病気とそれから薬のことも分かっていかなければならない。どんな治療を受けているか、医療は患者の同意を得て進める。インフォームドコンセントと言い、これは医療法で明文化されていまして、医療の理念です。医療関係者はそういう精神で良質の医療を提供しなければならない義務があります。
前置きが長くなりましたが、きょうは薬の効き方、そして飲み方を勉強したいと思います。
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