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NO.17 |
悪い肥満を防ぐための食事療法
(5−5)
薄味のコツをお話します(図9)。できるだけお醤油やお塩を控えて、こういった香りのあるもの、香辛料を使って食べるのがコツです。カレー粉を使うとか、生姜の香りで食べるとか、それからワサビとか。お浸しでも何でも、お醤油をだーっとかけないで、小皿にとってワサビ等をちょっとつけて食べる。お刺身でもお寿司でもたっぷりお醤油を使わない。お醤油は小さじ1杯で1gの塩分がありますので、気をつけていただきたいと思います。
レモンとか酢の物、これは塩分が薄くてさっぱりして美味しく食べられるコツですよね。香りも利用します。ピーナツ、クルミ、ゴマ、しその葉、茗荷、ミツバ、生姜ですね。だしをよく効かせるのも効果的です。お大根でも薄く煮て中までだしを効かせたら、みりんやお醤油少々で味付けし、和がらしなどつけていただくと、おでん風なものでもあまり塩分とらなくて済みますので、塩分をなるべく摂らないコツということになります。汁ものも、だしを効かせてお味噌を薄くするということです。汁ものを飲むと結構な塩分になりますので、ラーメンやそばなどのつゆは全部飲まないで、半分位は残すようにしましょう。
お魚でもお野菜でも、新鮮な材料でしたら、ほとんどお醤油とか薬味を使わなくてもお料理が美味しく召し上がっていただけます。漬け物とかですが、お料理はまとめて作らない。1回分づつ新鮮なもので食べていただく。お漬け物も保存食ということで塩分が大変濃いんですけども、できれば1日1回位にしましょう。
病院には色々な方がいらっしゃるんですけれど栄養相談のなかで…。お料理を少しずつ一人盛りするのが大嫌いで、枝豆でもカニでも大皿に盛って、テーブル一杯にし、楽しくお酒を飲みながら食べる。そういった方が、もうすごい肥満になりまして、糖尿病で病院にいらした。栄養指導の際にお聞きしましたら、大盛りの中から好きなだけ取って食べていたそうで、それが原因でなかったかなと思われる患者さんがいました。
1日の適量を考え、例えば、主菜は納豆を半分位、お魚も半身を1回量とし、その他はお野菜。そうやって食べていただければ良いんですけども、納豆1個、鮭一切れ、その他にハムがあったりすると、ものすごいエネルギーと蛋白質量になってしまうんですよね。主食のご飯と、主菜が朝だったら納豆、お昼だったら焼き魚、何時もお野菜がたっぷりある、そういったお食事が望ましいのですが、おかずは2、3品ないとお膳が淋しいという方は、やはり食べ過ぎとなります。お膳の大盛りは難しいですね。目の前にあるとつい食べてしまうと思います。自分との戦いになりますよね。
これでスライド終わりなんですが、これは北大の構内です。これから紅葉が大変きれいになります。散歩にいらしていただきたいと思います。小泉総理大臣は「改革は痛みがある」とお話していますけど、脂肪の数値が高いと言われている方は、それを改善するには楽しみな食べ物を制限しなくてはならず、痛みを伴うことになります。痛みがないと改革にならないのかもしれませんね。
講演会でのQ&A
Q.夜中にどんどん食べたものが脂肪になるということは、朝食の方が大事じゃないかと思いますが、今のお話を聞いていますと、やはり夕食に重きをおいた方が良いのでしょうか?
A.先程の佐久間先生のお話のように、夜寝る間際に食べますと、それが肥満につながります。脂肪細胞が大きくなって太ってしまうんですよね。ですから、食べるのはやはり朝と昼で、活動する時に食べるのが一番良いと思います。夜は消化の良いものを軽く食べていただければと思います。
Q.私はあまりパンをいただかないで、ほとんどご飯なんですけど、朝昼はご飯茶わんに1杯いただいて、夕食はおかずだけにしているんですけど、そういう食事というのはあまり良くないんでしょうか?
A.おかずをどれ位召し上がっているか分からないですが、一番バランスの良い食事は、1日のエネルギーの55〜60%を糖質で、脂肪で25%以下、蛋白質で15〜20%摂ることです。糖質には果物を含めます。そうしますと、糖質が55から60%と言うのは結構あるんですよね。北大病院でも、糖尿病の患者さんで特別治療食を食べている方が半分以上いらっしゃいますが、よく「ご飯の量が多いよ。糖尿病でこんなにご飯を食べていいのか」と言われます。でも、やはりご飯が一番害のない主食です。結局は、お腹が空くから何かつまんだり、他のものを召し上がることが多くなりますので、ご飯をきっちり良く噛んで食べるのが良いんです。お腹が空いて、寝る間際に果物やおせんべいを食べたりすることになってしまうんじゃないかなと思います。しっかり3食ご飯を食べていただくのが一番健康の基だと思います。
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