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No69 |
食は命なり運命なり
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星澤 幸子氏
星澤クッキングスタジオ 主宰
皆さん、こんにちは。星澤幸子です。きょうは、紙芝居を使ってわかりやすく説明します。
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日本食というのは、すごい伝統があって、しかも、すばらしい評価をされています。それはいつの時代かというと元禄時代の日本食です。そのころは何を食べていたでしょうか。みそ汁にご飯も、雑穀が入った麦ご飯や玄米のようなものを食べてました。そして、やっと小魚が食べられるという質素なものでした。日本人は足は短かったけれども、体力、持久力、忍耐力、頭脳力、全ての力を生かして日本というすばらしい国をつくりました。73年前にゼロ以下の出発から世界の大国にまでのし上げたのが、この底力です。
今は、肉が9倍とか、乳製品が20倍とか言いますね。これは、食べるなとは言わないけれども、私たちの先祖は食べていましたかということです。血がつながっているのですよ。突然変異ではないのです。血がつながっている人たちが急にこんなものを食べて、あら元気ってなるかい。皆さん、逆ですからね。さっきも言ったように、いつの時代の食事が一番よかったのですかといったら、これですよ。小魚ですよ。そして、野菜の煮たものです。具だくさんのみそ汁と雑穀のご飯が基礎です。どうして漬物があるかというと、これらを消化するためには、野菜の酵素がどうしても必要になるのです。酵素は、煮ると死んでしまいますので、生野菜の漬物が必要なのです。では、漬物は悪いのかという話になるわけです。食べ過ぎはだめです。しょっぱ過ぎるのはだめです。ただ、野菜にはカリウム分があります。みその材料である大豆の中にもそういうものが含まれていまして、塩分を外に出す働きのものがあるので、ちゃんと調整してくれることになっているのです。確かに、東北地方の人たちは、味がしょっぱいので、血管の障害が多かったということもありますが、やっぱりバランスの問題です。極端なことがない限りは大丈夫です。現代風の食事というのはどうぞ慎んでいただきたい。![]()
次に、米です。これが日本人の基本的な食事です。「米」という字は、88回の手がかかっているなどの言い方もされますが、世界で最もすぐれた穀類が米です。世界の人口の約半分が米を食べていますが、米の周りには表皮があって、繊維、脂肪があって、それを私たちは脱穀して食べているのです。この胚芽というところにはビタミンB群がたっぷり含まれているし、微量栄養素がたくさん含まれています。これがないと、突然死をしたり、不都合なことがいろいろと起きてまいります。
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次に、日本人は、米と一緒に豆をたんぱく源として食べていました。昔から、日本でお祝いをするときには豆との組み合わせです。お赤飯だって、餅だって、全部が豆と米でしょう。この二つが日本人の食事の基本だと思ってください。
そして、豆というのは、完全食品です。新鮮なビタミン類が少し少ないだけで、ほとんどのものがあります。これがみそになるのですよ。そして、しょうゆにもなりますし、食べ物で最も強い菌の納豆にもなります。さらに、豆腐を食べていれば文句はないですよ。
豆を食べる人は、頭がよくなります。山に登れる体力がつきます。そして、紆余曲折ありながら、ちゃんと豊かな人生を送ることができて、それらをちょっと料理するところを「厨(くりや)」と言うのです。![]()
そして、腸が元気というのが一番大事なことです。受精した卵子が細胞分裂するときに、一番最初にできるのが腸です。栄養のことを勉強していたら、腸にいいからとか何とかって、必ず腸に行き着きます。この腸がぴかぴかで元気だったら、大体は元気です。これは、肌を見ていたらわかります。肌がぴかぴかな人は、大体が腸も元気です。腸が元気な人は、長生きです。大ざっぱに言えば、腸内細菌に活力を与える昆布のアルギン酸の働きです。フコイダンもそうです。このフコイダンには、アポトーシスといって、がん細胞をやっつけるのではなくて、アポトーシスには、自滅に追いやる作用があります。自滅していくのです。
そして、アルギン酸は、悪玉菌を包み込んで外に出してくれる作用があります。だから、昆布を食べますと、うんちもあまり臭くありませんし、血もあまり臭くなくなります。![]()
薬が出てきました。薬という字ですが、草を食べて楽になるというふうに書いてあります。草です。いわゆる野菜類のことを言うわけです。秋とか春にできる地中の野菜、夏にできるぶら下がり野菜、そして、これからの根菜類、体を温める野菜、これを季節ごとに食べて私たちは体を調整しているわけですね。これは薬だと思って食べなさいと、昔、苦手なものはそうやって食べさせられた覚えがあります。
最後に子どもたちにも、皆さんにも、最低でも5分づき米を食べてもらって、みそ汁をちゃんと飲んでいただいて、どうぞ北海道のものを食べて健康で長生きをしていただきたい。身土不二とは、明治時代に石塚左玄が提示した言葉で、私たちは環境と二つのものではありません。自分のところでとれたものを食べれば、元気で長生きします。ということで、どこかでまた元気よくお目にかかれたらありがたく思います。

