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No59 |
長寿のヒント
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長谷部 直幸氏
旭川医科大学 循環・呼吸・神経病態内科学 教授
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きょうは、私ではなく、葛西選手のお話を楽しみにお集まりと思いますが、「長寿のヒント」というお話をいたします。私の後がレジェンドですから、ドクターもレジェンドの日野原重明先生に登場していただきます。
先生は現在103歳になられましたが、これは4〜5年前旭川で講演された時の写真です。30年前に先生の知人が私の患者さんだったので、私は講演の合間に、30年前のそのエピソードをお話したところ、先生はしっかり覚えておられました。またこの講演の最後に私の妻が花束を渡したのですが、先生は私の妻をハグしてなかなか離してくれません。「先生ちょっといい加減にしてください。それは私の妻ですから」、すると先生は「ごめん、ごめん」といいながらも見つかってしまったかという顔をして、妻を離しました。もちろん先生はそうすれば会場でうけることを意識しておられるのです。ぜひこのような103歳になってみたいと思います。
さて、100歳を超えられた方を百寿者と言いますが、平成元年に3,000人だったのが、平成26年は58,820人になり、来年には60,000人を超えます。日本人の平均寿命は男性は80歳、女性は87歳で、100歳を超えた58,000人のうち90%が女性です。
双子の長寿者で有名な金さん、銀さんにはこんなエピソードがあります。ちょうど100歳のお祝いに町から100万円を贈られ、「100万円を何に使いますか」と聞かれました。すると金さん、銀さんは「老後のために貯金します」と答えたのです。「老後はいつから」という定義はありません。このウィットに富んだ答えは本当に素晴らしいと思います。
さて、2012年に厚生労働省が「健康寿命」というものを発表しました。これは健康で介護なしで自立した生活を送れる期間のことです。
これによると男性が70歳、女性が73.6歳です。つまり男性の平均寿命が80歳であることから、70歳からの10年間は健康になんらかの問題があって過ごしている状況であることがわかります。平均寿命と健康寿命の間をもっと縮めることが重要です。つまり、目指せ「健康長寿」です。
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