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No53 |
あたり前の暮らしを求めて
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脚本家、演出家、劇作家
市民フォーラムの講演第二部では脚本家、演出家、劇作家として活躍中の倉本聰氏が、「あたり前の暮らしを求めて」と題して講演し、複雑化・高度化した現代の社会を見つめ直す必要性を説かれました。
倉本聰氏は、我々が生きていく上で大事な酸素と水を生んでくれる森をどんどん伐採し、また、都市はアスファルトで固めて、文明社会は不毛の地をどんどん広げる方向に進んでいると語り始めました。
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戦後我々は壊れたら捨て、新しいものをどんどん消費するという社会になりました。そのようにして日本は経済大国になりましたが、ブレーキをかける或いは少し後戻りをするという視点が欠けているというのが今までだったと語ります。
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戦前にあった生きるということ、或いは日本人としての暮らし方といったものへの座標軸を見失ってしまったという不安感を持っていたと言います。そこで富良野へ移住し、他のエネルギーに頼らずに、出来る限り自分の中で出来る生活へとシフトしてみたのです。勿論そんなにうまくいくわけがありませんが、その中でもしそういうことができる人間がいたらどうなるだろうと考えたドラマが「北の国から」というドラマなのだそうです。一番我々が根源的に 忘れている事を書きたかったのです。
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暗くなったら寝るという根源的な事を忘れ、今は深夜まで起きて活動していることからエネルギーを消費しているわけです。われわれ自身が生活をどんどん拡大してしまったところに大きな問題があるのではないかと問いかけました。
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私達はこれからも電気・石油に依存した贅沢な暮らしを続けるのか、貧しくても原発のなかった時代に戻す覚悟があるのかという岐路に立っている。今の常識であたり前を考えてはいけない、本来の座標軸に戻ってものを考えないといけないと訴え、会場を埋めた聴衆は深く頷いていました。
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座長・筒井裕之先生(北海道大学大学院医学研究科循環病態内科学教授)
市民フォーラムの講演第二部では脚本家、演出家、劇作家として活躍中の倉本聰氏が、「あたり前の暮らしを求めて」と題して講演し、複雑化・高度化した現代の社会を見つめ直す必要性を説かれました。
「あたり前の暮らしを求めて」というタイトルでご講演頂きましたが、我々が日常の生活の中で、どういうものに価値を見い出して、そしてどういう風に生きたらいいのかということも含めてをお話しいただきました。
1977年から富良野に在住され、様々な活動をされてきた倉本聰さんのお話は、大変楽しくもあり、考えさせられることも多かったように思います。
今後ますますのご活躍を期待いたします。

