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NO.5

血栓とその予防
(2−2)



血栓症の治療薬と副作用

 流れの速い動脈に生じる血栓と流れの停滞する静脈や心房内に生じる血栓では構成成分も違い、治療や予防に使う薬も違ってきます。心筋梗塞をされた方での再発予防にはアスピリンのような血小板の働きを抑える薬が役に立ちます。

 心房細動や心臓の壁の動きが低下した患者ではワーファリンのような凝固を抑える薬を用います。最近手術を受けたり、外傷や分娩、あるいは消化性潰瘍を経験された方、喀血された方などではこれらの薬を使用できなかったり、血液の固まりやすさを検査しながら量を調整する必要があるので医師にあらかじめ相談することが大切です。

血栓症の予防 −こまめに水分補給

 自宅の水道がつまらない、凍らないように気を使うようにご自分の血管がつまらないように気を使いましょう。これまでのこのシリーズでお話がありましたように動脈硬化症や糖尿病を予防する健康的な生活を送ることはそのまま血栓の予防につながると考えて良いでしょう。

 また、暑い夏の日中屋外でスポーツを長時間行い汗をたくさんかくと血液が濃くなって血栓が出来やすくなります。こまめに水分の補給をしましょう。

 また外国旅行で長時間飛行機内でじっと座っていますと血液がうっ滞して血栓ができやくなります。機内を歩いたりいすの上で手足を動かすことが大切です。

 また高齢化社会を反映して最近多くなっているのが心不全や心房細動の結果起こる脳梗塞です。脳梗塞を発生しやすい心房細動を表2にまとめました。

 このような方には医師がワーファリンやアスピリンを予防的に用います。特にワーファリンを服用されている患者さんには守っていただきたい大切なことがいくつかあります(表3)。

 人類の歴史の中で傷口を血で固めて出血を防ぐことは非常に有用なシステムでした。しかし現在のライフスタイルではこのシステムが過剰に働いて血栓を作りやすい環境にあると考えて良いでしょう。血栓を予防するためにこの記事を参考にしていただけると幸いです。

表2 脳梗塞を発症しやすい心房細動
* 高血圧
* 脳卒中や一過性脳虚血発作の既往
* 糖尿病
* 65才以上のかた
* 心不全

表3 ワーファリンの服薬指導
* 指示通りに定期的に服用、受診し血液凝固の検査を受ける
* 手術や抜歯を受けるときは事前に主治医に相談する
* 他科を受診するときはワーファリンを服用していることを知らせる(ワーファリン治療をうけていること、病名、服用量、併用薬、治療施設等を明記した手帳を常時持っていること)
* 創傷や打撲を受けやすい仕事やスポーツをしない
* 納豆はワーファリンの効果を減らすので食べない
* 偏った食事をしない
* 歯茎からの出血、血尿、血便などに気がついたらすぐに主治医に連絡する
* 勝手に他の薬を併用したり中止しない


  
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