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NO.29

第41回日本小児循環器学会報告

北海道大学病院小児科・医員  
武田 充人さん


武田 充人さん このたび、(財)北海道心臓協会の研究開発調査助成を受け、第41回日本小児循環器学会に参加させていただきました。学会は平成17年7月6日から8日の3日間、東京都で開催されました。本学会は先天性心疾患および小児の不整脈、心筋症や川崎病などについて全国の小児科医、外科医、看護師、コメディカルの方々らが参加し、様々な角度で討論を行う年1回の大規模な学術集会です。今回は欧米からも8名の先生に招請講演をしていただきました。また、若い先生方への教育講演や看護セッションなど内容も多岐にわたり、とても充実した学会でした。

 先天性心疾患についても最近では胎児から成人に至るまでのあらゆる年齢層での診断、治療、管理が要求されるようになりました。先天性心疾患の救命率、生命予後の改善に伴い最近では特に成人期に至った患者さんが増加しており、遠隔期で新たに抱える問題点に直面しております。成人期に達した先天性心疾患患者の妊娠・出産についての問題点など、成人をテーマにした貴重な演題が数多くみられておりました。診断、治療における最近の知見としては胎児診断や心臓カテーテル治療、肺高血圧症の治療などをテーマとしたものが多く、パネルディスカッションあるいはシンポジウムにて活発な議論がなされ、関心の高さを伺わせるものでした。

 私は北海道大学医学部小児科で循環器グループに所属しておりますが、当グループでも術後遠隔期に抱える問題点をテーマとした臨床研究を行っております。その一つに大動脈縮窄症という、先天的に下行大動脈が狭くなっている疾患において、術後遠隔期で高血圧を呈することについての病態解明というのがあります。

 今回私がポスターセッションにて発表した演題はその研究の一環となるものですが、大動脈縮窄症をバルーン拡大術(カテーテル治療)で修復した後、修復部の伸展性がどうなるのかを血管内エコーにて追跡したという内容でした。これまで新生児期に手術治療が行われた大動脈縮窄症については遠隔期で伸展性が低下していることを発表しました。バルーン拡大直後は修復部の伸展性は保たれていましたが、半年後の検査では同部位の伸展性は著しく低下しておりました。この伸展性の低下は大動脈で早期圧反射をもたらす可能性があり、本症で術後高血圧が遷延する要因として考えております。今後症例を重ね、さらなる検証をすすめていきたいと考えております。

 最後になりますが、本学会参加に当たり助成をしていただきました北海道心臓協会に心より厚く御礼申し上げます。


  
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