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NO.6 |
恐い肥満が増えている
(1−1)
食事節制と運動で、ゆっくり調整を
人間は、生命活動を維持するためにエネルギーを得ています。しかしエネルギーをとればいいという時代ではなくなりました。日本ではいま、食物は豊富にあり、食べる機会も際限なく広がる中で、いかに食欲を制御するかが大切になっています。
肥満の恐ろしさは、それが、「生活習慣病の温床」といわれるように、さまざまな障害、病気を招いてしまうところにあります。
この点をよく認識するとともに太らないためにはどうしたらよいか、減量するには日常どういうことに気をつけたらよいかを考えねばなりません。大事なことは、肥満解消は短い期間で達成できるものではなく、食事を制限するだけで解決するものでもありません。 日々、24時間のライフスタイルを見直す必要があります。
世は飽食。グルメ時代といってもいいかも知れません。豊かになった象徴の1つとして「食の楽しみ」が挙げられます。しかしこの楽しみが広がったと同時に、食生活の乱れも招いてしまいました。
日本人はもともと、肥満の少ない民族でした。だが戦後の食生活の洋風化とともに、いまや「肥満先進国」の仲間入りする羽目に陥ってしまった、といってよいでしよう。
確かに、いつでも各家庭の冷蔵庫には食べ物があり、スーパーには加工食品、インスタント食品などが山積みになっています。食品の数が増えたものの、かえって栄養のバランスを崩す結果になっています。
他面、現代人の日常生活の中での運動不足が肥満の大きな原因になっています。摂取エネルギーはいままでと変わりないのに、消費エネルギーはどんどん少なくなっています。これでは余分にとったエネルギーは体内に脂肪となって蓄積されてしまうばかりです。そして肥満の若年化がますます進んでいることも大きな問題です。
人間の食欲には、キリがありません。太る人の食生活は、おおむね過食ぎみで、栄養のバランスも崩れています。とくに、肥満児がいる家庭の食生活では、それが顕著です。エネルギーの摂り過ぎと偏食が主な原因といってよいでしよう。
肥満のこわさは、単なる美容の問題ではなく、さまざまな生活習慣病を引き起こす元になるということ、ひいては生命にかかわるということにあるのです。とくに子どもの肥満は放置すれぱ、そのまま成人肥満につながるので 、早めに親が対処に手をつけねばなりません。肥満を抑えて長寿を楽しみましよう。

