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NO.24

心筋梗塞予防に冬の注意点は?

札幌医科大学第二内科講師 中田 智明


Q.冬になりますが、心筋梗塞を予防するための注意点を教えてください。

A.いきなり寒さにさらさぬ備えを

 心筋梗塞はもちろん冬に多いのですが、夏でも少なくありません。なぜかと言いますと、血管が詰まる病気だからです。寒さで血圧が高くなりますから脳出血は冬に多く、一方、夏は発汗などで脱水になりやすく、したがって血が固まりやすく、それが血管を塞ぐから脳硬塞が多いのです。

 冬に多いのは寒さが原因です。寒さが血管を収縮させ、血圧が上がり、脳出血が起きやすくなります。なぜ心筋梗塞かという話ですが、寒さで交感神経は緊張し、全身および心臓の血管が収縮します。さらに、血圧が高くなれば心臓に負荷がかかり、酸素がたくさん必要になりますが、血管は収縮ないし細くなっていて酸素が足りず、狭心症が誘発されたり心筋梗塞になる可能性が高くなります。

 心臓に負担をかける因子としては、交感神経の緊張、寒さが悪く、そういう患者さんを何人か診ていますが、中でも大雪の日の朝の雪かきが一番良くないです。寒い朝、いきなり外に出ないということが重要です。早めに起きて、ウォーミングアップを30分くらいして目も体も完全に覚めさせ、その上で外に出る。ラジオ体操でいいですね。

 雪かきは、よく質問されますが、健康的な運動にはなっていません。 “健康のため”という意味では、何の運動にもなりません。等尺性運動と言って、力む運動は良くありません。重い雪をかいて力むのは血圧や心拍数を上昇させます。しかも寒い朝に準備運動もしていないとなると、三重苦で心臓に大きな負担がかかります。雪かきをするのなら時間の余裕を持って、ウォーミングアップをし、楽しみながらやることです。歯を食いしばって頑張る、というのはなるべく避けてください。

 冷たい空気をいきなり肺に吸い込むと気管支が収縮します。心臓の血管も冠れん縮といって収縮することがあり、避けねばなりません。ですからいきなり冷たい空気を吸わない工夫が必要です。つまり、マスクをして外に出る、これだけでも結構いいと思います。

(2001年9月27日、札幌での健康特別講座から)


  
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