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NO.22 |
ペースメーカーを埋め込んで体脂肪を測る機器はあるのでしょうか?
また、心臓病の人が体操をしても良いのでしょうか?
旭川医科大学第一内科助手 佐藤 伸之
Q.ペースメーカーを埋め込んで体脂肪を測る機器はあるのでしょうか?また、心臓病の人が体操をしても良いのでしょうか?
99年10月にペースメーカーを埋め込みました。体脂肪を測りたいのですが、それまで使っていた機器では測れません。体脂肪を測れる機器は開発されているのでしょうか。それから、白内障で手術しなければならないかもしれないのですが、影響はあるでしょうか。最後に、先生のお話では、心臓病の人は腕立て伏せはあまり良くないとのことでしたが、私は毎朝、自分で工夫したストレッチ40分と柔軟体操を10分間しています。その中で腕立て伏せを15回取り入れていますが、良くないことでしょうか。
A.大部分の電化製品は影響がありません。
市販の体重計などに組み込んである体脂肪率を測る機器は、オーバーセンシング(ペースメーカーの誤作動)を起こす可能性があるため、原則として使用できない機器に含まれています。一般的にはペースメーカーの患者さんに、大部分の電化製品は影響がなく、携帯電話もある程度の距離があれば大丈夫とされています。従って、日常的には普通に過ごせますが、高周波機器や低周波機器、磁力などで測定、検査する一部の医療機器では制限があります。
ペースメーカーを挿入されていても、手術は可能です。ペースメーカーの近傍で電気メスを使用する場合などではペースメーカーのプログラム(モード)変更が必要ですが、どの部位でも手術は可能です。白内障の手術の際はバイポーラーの電気メスを使うことが大半ですので、通常問題となりません。
腕立て伏せは通常はあまり大きな問題にはならないと思われますが、リードの入っている付近の強い筋力トレーニングはリードに損傷(摩擦などにより)を起こす場合もありますので、慎重でなければなりません。短時間に筋力を使う運動の代表として、腕立て伏せを挙げましたが、一般的には短時間に激しく筋力を使う運動よりも、あまり心拍数が上がらない軽めの運動を長くするほうが(つまり有酸素運動ということです)、無理がかからず効果があります。

