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NO.13 |
心筋梗塞に遺伝性はありますか
旭川医科大学第一内科講師 川村祐一郎
Q.心筋梗塞に遺伝性はありますか?また、心臓病は遺伝しますか?
A.素質は遺伝するが抑制は可能
心筋梗塞という疾患そのものに遺伝性はありません。ただし、心筋梗塞になりやすい人の特徴(危険因子といいます)のうち、重要なものとし高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、肥満、喫煙があり、前3者はあきらかに遺伝性があります。肥満も遺伝性があるといえばありますが、努力で消滅させることは可能と思います。喫煙は全く御本人の責任です。
この5つを多く持っていれば持っているほど心筋梗塞になりやすいといえます。前3者は素質的に拭い去ることはできないにしても、コントロールは可能なわけで、まさに我々医療スタッフが日常、生活指導、薬物治療両面で力をそそいでいる点であります。
なお、心筋症という病気の一部で、すでに遺伝性が証明されているものがありますが、心臓疾患全体ではさほど多くありません。しかし、今後研究がすすむにつれて、遺伝性が証明されてくるものも出てくるでしょう。

