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NO.3


斗南病院循環器内科長 
尾山洋太郎



Q.短大時代に血圧高め、起床の時に頭痛感じる

 21歳女性、銀行員。1年前、短大在籍中の検診で血圧が高めといわれ、一度病院を受診しましたが、「特に薬は必要ない、様子を見ましよう」ということでした。今春就職して以降、朝起きがけに頭痛を強く自覚するようになり、頻尿気味で筋肉が疲れやすく、スポーツクラブの器械で血圧を計ると、時に上が180、下が100くらいのこともあります。一時的な現象と考えてよろしいのでしようか。両親とも血圧は高くありませんし、私自身今まで大病の経験はありません。


A.副腎の腫瘍による原発性アルドステロン症かも…
 

血圧は一定不変のものではなく、その時々の状況で上がり下がりをしますが、それにしてもあなたの年齢でこの血圧は高すぎるようです。頭痛などの自覚症状もあるようですし、高血圧症と考えるのが妥当でしょう。

 若い年齢で血圧が急に高くなっていく場合は、中年以降に好発する本態性高血圧症とは異なり、原因のはっきりしている二次性高血圧症を考慮する必要があります。あなたの場合は、頻尿傾向や筋力低下を伴っているようですから、「原発性アルドステロン症」という副腎の腫瘍による病気が考えられます。

 悪性のことはきわめて少ないのですが、副腎に出来た腫瘍からアルドステロンというホルモンが過剰に分泌され、このために血圧が高くなります。同時にこのホルモンの作用で、筋肉の適当な緊張維持に大切なカリウムが不必要に血液から尿に排せつされ、頻尿気味になったり、筋肉が疲れやすくなったりするのです。専門医により、血圧が本当に高い、ということと、同時に、血液のアルドステロンやカリウムのレベルの確認をしてもらうことが大切です。

 軽症の場合は服薬で血圧を調節していくことが可能ですが、多くは、特に根治的には、手術で腫瘍を取り除くことになります。この場合は泌尿器科の協力が必要ですが、いずれにせよ、早めに専門医のアドバイスを受けて下さい。


  
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