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NO.32-2 |
加齢による発作性心房細動の服薬治療について
Q. 発作性心房細動を発症後3ヶ月目から、アスペノン20を朝夕1錠服薬。心電図では異常なし2回、ホルター心電図では2回、期外収縮と心房細動の所見でした。服薬中でも動悸(80〜116)と(52〜57)のちゃらんぽらんの2種の不整脈が月にそれぞれ6回ありました。症状は比較的軽いのですが、ここ1週間服薬しておらず不快な時のみコンスタン0.4を1/2(既往症の薬)飲んでいます。ワーファリンの処方はありません。なお、血圧等の疾患はありません。「脳塞栓と心房細動の予防」のためにアスペノンの服薬をつづけるべきかご指導をお願いいたします。
A. 相談にありましたように、発作性心房細動の治療は、脳梗塞(塞栓)の予防と不整脈発作の予防が二本柱となります。
このうち、心房細動による脳塞栓の予防効果がある薬剤については、かつてはワーファリンしかありませんでしたが、近年、プラザキサ、イクザレルト、エリキュースなどの新しい抗凝固薬が使用可能となりました。抗凝固薬投与の適応につきましては@75歳以上、A高血圧、B糖尿病、C心不全、D脳梗塞や一過性脳虚血発作の既往、などのリスク因子をもとに決められるのが主流となっています。
相談文を読ませていただいたところでは、上記の基準(通常2項目以上で適応)を満たしていないようですので、現在、抗凝固薬が投与されていないものと推察されますが、最近ではリスク因子が少なくても(1項目以上)抗凝固薬を投与する場合がありますので、主治医とご相談いただければと思います。
心房細動発作の予防につきましては、残念ながら完全に発作を抑えることのできる薬はありませんので、発作がある程度抑えられ、副作用が少ない薬を選んで使用することになります。現処方を継続されるかどうかにつきましても、主治医とご相談、ご確認いただければと存じます。

