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NO.8 |
食事はタイミングが大切
北大病院管理栄養士 佐藤 恭子
朝夕しっかり食べ、夕食は軽く平成7年度の国民栄養調査では、朝食抜きの割合は、20歳代男性で3人に1人、女性は5人に1人と高率になっています。
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平成7年度国民栄養調査結果 朝食を摂らない理由としては、
などが挙げられます。
- 食欲がない
- 少しでも寝ていたい(食事の時間がない)
- 美容上、やせたい
就寝中は、体温が下がっていますが、活動する日中になると上がり、頭脳も活発に働きます。朝食は、その働きを高めるために、必要です。
長寿番付日本1位は沖縄県です。沖縄の食事の特徴として、次の事柄が挙げられます。
- 高たんぱくである(豚肉・大豆製品・魚介類の摂取量が、全国平均を上回っています)
- 塩分の摂取量が少ない(平成7年度の全国平均量が13.2gであるのに対し、沖縄は10gで全国最低です)
- 気候が温暖である(1年中、身体を動かすことで、体機能が活性化されます)
これらが、長寿の要因として考えられるなら、朝食抜きなどの食生活が、身体に良い影響を与えるとは思えません。
「食事はバランスが大切」などとよく言われますが、最近は、むしろ「タイミングが大切」と言われるようになりました。
タイミングというのは、三食規則正しく食べるということです。朝食・昼食をしっかり食べ、夕食は軽くとる。間食には、十分なビタミン・ミネラル等をとる。これが、体重の減量につながります。
しかし、一日の食事量のほとんどを夕食でとり、寝る前まで食べ続けるような生活は、肥満になりやすく、成人病罹患(りかん)率が高いという報告があります。
これは、長い空腹時間の後では、肝臓や脂肪組織での、コレステロールや脂肪の合成が高まるからです。同じ一日の栄養量でも、回数を多く食べた方が、ふとりにくく、動脈硬化を起こしにくい事は確かです。
現代は、予防医学の時代と言われながら、飽食化に伴ない糖尿病などの成人病が、車人口と同じように急速に上向きになっています。現在では、糖尿病は、40歳以上で10人に1人といわれています。病気を作らないことに、私達は心掛けなければいけないと痛感しているところです。人生を楽しむにも、健康が1番です。
まとめ
家庭食でのポイント
- 朝・昼・夕と規則正しく食事をとりましょう。
- 主食・主菜・副菜と、1日の食品数を30とりましょう。
- 味付は薄味に、減塩を心掛けましょう。味噌汁は、1日薄味1〜2杯です。
- 好きな食品に偏らないようにしましょう。コレステロールの多い食品に注意し、1日の摂取量を300mg以下に抑えましょう。
- カルシウムを十分にとりましょう。乳製品・小魚・海草類などを積極的にとりましょう。
- 食物繊維を十分にとりましょう。食物繊維は、身体のそうじをする働きがあります。1日20gの食物繊維をとるため、1食に100g〜150gの野菜をとりましょう。
- 果物は、ビタミンCの重要な供給源ですが、必要量以外は、排せつされます。果物の量が多くなることが、エネルギーのとり過ぎになり、肥満につながります。
- 菓子類・アルコール等は、自分の身体を考えて摂りましょう。
外食でのポイント
- 定食タイプを選びましょう。定食は、比較的食品数が多く、栄養のバランスを確保しやすくなっています。
- めん類・丼物は、具の多いものを選びましょう。更に、不足しがちな野菜、きのこ、海草などを補うようにしましょう。
- 脂肪の多いメニューは避けましょう。
- 骨粗しょう症予防のために牛乳、乳製品を補いましょう。