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間違った食生活がもたらす病気
(1−1)
札幌医大病院 栄養係長 成田博子
日本人の1日当たりのエネルギー量のうち脂肪エネルギーの比率は20〜25%が適正範囲。しかし平成4年の厚生省の国民栄養調査によりますと、その比率は依然上限の25%を超えており、今後とも脂質の摂取については成人病予防の観点からも注意を払う必要があるとしています。原因は明らかに食べ過ぎ。エネルギーの過剰摂取によって起こってくる病気
例えば、エネルギーのとり過ぎによって肥満が生じ、肥満は高脂血症、高血圧、糖尿病、痛風、脂肪肝、関節痛を引起こし、さらに高脂血症、高血圧、糖尿病、痛風は動脈硬化の誘因となり、動脈硬化は狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、腎臓病などの要因となります。このように、単なる食べ過ぎからいろいろな病気が起こってきます。健康の維持増進には、まず、食べ過ぎもなく不足もないことが大切であり、エネルギー量に過不足がないということです。適正エネルギー量を知る方法
摂取エネルギー量が適正か否かを簡単に知る方法は体重を測定することです。毎朝食前(排尿・排便後)に測定し、その値を暦に記録。体重が増加傾向にあれば食べ週ぎであり、減少傾向ですとエネルギー不足ということになります。体重測定を習慣付けることにより、自己調整力が養われてきます。1日の適正エネルギーはいくら?
エネルギー所要量(目安)簡易算出式肥満の判定(BMI)
(第5次改定日本人の栄養所要量・厚生省)
生活活動強度1(軽い)の男子
40〜49歳栄養所要量=18.57×身長−998キロカロリー。
算出例 生活活動強度1(軽い)の男子40歳で身長170cmの場合
栄養所要量=18.57×170-998=2,160キロカロリー
(体重(kg)を身長(m)の2乗)で割る、この値が男性で20〜25、女性で19〜24なら正常域。男女とも30以上を肥満とみなし、これらに入らない中間を過剰体重(軽度肥満)とします。標準体重の算出法(身長(m)の2乗×22)
過体重:肥満傾向にある人はアルコールやお菓子など糖分の過剰摂取も体内の脂肪を増やすので、全体的にカロリーを落とす必要があります。腹8分目の食事を心掛け、間食を止め運動などで体重を減らす努力をします。食品の選択
動物:植物:魚類由来の脂肪の摂取割合をおおむね4:5:1程度とし、キノコ、大豆、海草、野菜類など食物繊維を多く含む食品をとるようにします。調味塩分は控えめにします。
低エネルギー食食品構成例(1,400キロカロリー食)
主食 飯180g×2回 パン60g。主菜 肉60g、魚介70g、卵1個、豆腐3分の1丁。副食野菜300g、果物200g、牛乳200ml 油大サジ1杯、砂糖小サジ2杯 みそ大サジ1杯。食事療法を正しくしっかり行えば、薬が不必要になったり、少なくなったりすることがあります。さあ、頑張ってやってみて下さい。
5月24日栄養改善法の改正で食品成分表示がより正確に表示されることになりました。食品の選択に大いに活用して下さい。

