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NO.11

しっかり出汁(だし)をとって減塩
〜出汁のとり方について〜


北海道医療センター 栄養管理室 沢谷 里江氏

 和食は今、世界でも健康食として注目されています。和食には、素材の持ち味を最大にまで引き出す素晴らしい『出汁』の文化があります。出汁を良く知り、出汁を上手く料理に使う事で、美味しく減塩ができます。今回は、出汁の取り方などを中心に紹介いたします。

出汁を使って、上手に減塩する方法とは?

 日本では、古来から昆布や魚などを使って日常的に出汁を使う事で、素材の旨味を引き出す工夫をしてきました。日本の伝統である出汁の特徴を知る事で、たくさんの塩を使わずに美味しく料理が出来ます。一般的に出汁として多く使用される『昆布』『鰹節』『椎茸』『煮干し』などには、旨味物質として知られる以下の3種類の成分が、多く含まれています。

【出汁に含まれる旨味成分】
・昆布、いわし・・・・グルタミン酸
・煮干し、鰹節・・・・イノシン酸
・干し椎茸・・・・・・グアニル酸

 旨味成分の1つ『グルタミン酸』は、トマトなどの野菜にも含まれています。また、『イノシン酸』は豚肉などの肉類に、『グアニル酸』は干し椎茸以外のきのこ等にも、含まれています。これらの旨味成分には特徴があります。それは、単独で使うよりも組み合わせる事で、旨味が非常に強化される事です。例えば、和食では、昆布で出汁をとった後、鰹節でさらに出汁をとります。こうする事で、感じる旨味が増加するといわれています。これを『旨味の相乗効果』と言い、たくさんの実験により検証されています。旨味を組み合わせる事で、単独で使った場合と比較して4倍以上旨味が増すとの報告もあります。
 この様に、昆布・鰹節・椎茸などの出汁を上手に組み合わせ、旨味を最大限に引き出すことが、出汁を利用した減塩におけるポイントの一つでもあります。

出汁のとり方について

 ここでは、実際に出汁のとり方を紹介いたします。

【昆布とかつおの合わせ出汁の作り方】
材料 水: 1L、昆布:10g、かつお節:20g
出汁のとり方
1.昆布の表面の汚れを固くしぼった濡れタオルで軽く拭き取ります。
  ※ 表面の白い粉は、旨味成分です。拭き取り過ぎないように注意して下さい。
2.鍋に昆布と水を入れ、そのまま約1時間置きます。その後、弱火にかけ沸騰直前に昆布を取り出します。
3.弱火から強火にし沸騰させた後、火を消しかつお節を入れます。
4.2分ほど置き、キッチンペーパーでこしたら出来上がりです。

この他にも・・・
 昆布は、加熱しなくても旨味成分が出ることを利用して、以下の様な出汁のとり方もあります。

【昆布水の作り方】
材料  水:1.5L、昆布:20g
作り方
1.昆布を細かく切ります。
2.ペットボトルなどの保存容器に水と昆布を入れ、冷蔵庫で一晩漬けて出来上がりです。

出汁酢の作り方と利用方法

 最後に、酢を利用した出汁酢の作り方と、その利用方法について紹介いたします。

【出汁酢の作り方】
材料 酢:600ml、昆布:20g、かつお節:20g、煮干し:20g(頭と腹わたを、取り除いたもの)
作り方
1.蓋の付いている保存容器に、酢と昆布・かつお節・煮干しを入れ、冷蔵庫で一晩漬けて出来上がりです。

☆ドレッシングとしての利用や、野菜を漬けて簡単マリネ風としての使用もオススメです。

 塩分7.4%のノンオイルドレッシングでは、大さじ1杯で塩分が1.1g含まれています。このノンオイルドレッシングを出汁酢に変えた場合、大さじ1杯で塩分量が0.1gと1gの塩分を減らすことが出来ます。
 日本の伝統的な出汁を使用した減塩を、多くの人に活用してもらうことが重要と考えます。


  
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