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第17回日本循環器予防セミナー参加記
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札幌医科大学第二内科 千葉 雄さん
第17回日本循環器予防セミナー(日本循環器管理研究協議会、日本心臓財団主催)が7月2日〜7日にかけて栃木県那須高原で開催された。本セミナーは、心臓病、脳卒中など循環器疾患の予防医学を学ぶもので毎年夏場に開催されている。このセミナーは循環器疾患診療に携わる医師、大学院生、研究生、コメディカル約50人が公募され、私は札幌医大・島本和明教授の推薦と北海道心臓協会の助成金を受けて参加することができた。
近年の医療技術の進歩は目覚ましく、かつては救命できなかった重篤な疾病も急性期をしのぎ、社会復帰させる事も可能となってきた。しかし、救命できたとしても後遺障害を残し、介護人生を余儀なくされる高齢者が増加しているのも事実である。また、生活習慣病が加齢とともに順次発症し、高齢期には多疾患保有者の爆発的な増加が指摘されている。最近、高齢化社会を迎え、心臓病、脳卒中といった循環器疾患の増加と重症化に対し「循環器疾患を予防する」という観点から、予防医学の重要性が声高く叫ばれている。今回の循環器予防セミナーは「循環器疾患の一次予防:古典的な危険因子の見直しと介入」をメインテーマに行われた。
7月2日、本セミナーへの期待と夏場の本州の暑さへの不安を抱きながら那須高原へ到着した。しかし、那須高原は思った程に暑くはなく、少し不安は解消された。到着後は早速講義が開始され、早くも受講生の熱気で一杯になった。その日の夕食は歓迎パーティーで初対面の受講生ともすっかり和み無事に初日が終了した。翌日からは朝8時30分より午後6時頃まで講義が続き、夕食後は各グループに分かれて研究デザインを考える演習を深夜まで行うという非常に濃い内容であった。特に夕食後の演習はグループの中で活発な意見が飛び交い、演習発表の前日は気が付けばAM4時になっていた。この様にハードな演習であったが、その分疫学方法論をより深く理解する事ができたと思う。さらに各グループの演習発表は受講生の間で時間内には終わらない程の質疑応答があり、非常に勉強になった。
このセミナーに参加して全国から集まった受講生と親睦を深める事ができ、さらに予防医学を基礎から学ぶ事ができ、とても有意義な5日間を過ごせたと思う。
最後にセミナー参加に当たり、助成をしていただきました北海道心臓協会に対し心より厚く御礼申し上げます。