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NO.8

北米心臓協会に学術会議に参加して
(1−1)


展示発表を行う
北大循環病態内科学 富岡 拓志さん
 

 1999年11月7日から10日までの4日間、アメリカ心臓協会(AHA:American Hearet Assosiation)主催の第72回学術会議がジョージア州アトランタで開催されました。今回幸運にも、研究テーマにしている血管内皮機能について発表する機会に恵まれました。私なりに感じた学会の印象を紹介させていただきます。

 この学会は世界最大の循環器学会で、今年の参加者は約4万人で、日本からも数多くの参加がありました。基礎から臨床まで幅広い分野を対象としており、今回も一般演題4,614題に加え、数多くのシンポジウム、各種教育講演等、多彩なプログラムが催されていました。

 演題応募数は12,000を超えており、採択率は35%前後と厳しく、約半数はアメリカ以外の国からの発表でした。

 各セッションはテーマごとにかなり細分化されており、内容も多岐にわたるため、全てを聴講することはできず、プログラムに従い事前に自分の聴講するセッションを絞らねばなりません。しかし、細分化されたセッションであるだけに、その内容も濃い発表がなされておりました。

 私の研究分野においても特別セッションが開かれ、その分野における第一人者の講演を直に聴講でき大変勉強になりました。循環器領域では世界最大の国際学会であるだけに、各分野で最先端の報告がなされ、各会場で朝早くから夜まで情熱的な討論が続き、そのエネルギーには圧倒されるばかりでした。

 また、心不全や虚血性心疾患に対する新しい薬物療法やインターベンションあるいは外科的治療の有用性の検討が、大規模臨床試験という形でいくつも進行しており、これらの結果が雑誌に掲載される前の段階で、あるいは中間報告として多数報告されたり、新しい診断装置や治療用器具、補助人工心臓などの展示も見られました。

 この学会中に得られた知見が臨床の場で役に立つにはもう少し時間が必要とは思いますが、今後は狭心症や心筋梗塞についても病態が細胞レベル、分子レベルで解明されて、新たな予防法、治療法が開発されて行くでしょうし、患者さんの病態を把握するための手段もさらに進歩すると思います。

 その結果、治療には現在に増して個々の患者さんの病状に応じたものを多くの中から選択できるようになると感じられました。最後に学会参加にあたり、助成していただきました北海道心臓協会に対し心より厚くお礼申し上げます。

*北海道心臓協会は「研究開発調査助成事業」により富岡さんに旅費補助を行いました。


  
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