2025年8月29日から9月1日にスペイン・マドリードで開催された「European Society of Cardiology(ESC) Congress 2025」に参加し、「Prognostic value of machine learning-based automated frailty rating in elderly patients with chronic heart failure」という演題で発表を行いました。本研究は、心不全患者におけるフレイル評価を、患者の歩行動画から人工知能(AI)の手法である機械学習を用いて自動的に行い、その全死亡や心不全入院への予後予測能を検証したものです。従来、フレイル評価は医療スタッフによる主観的判定に依存していましたが、本研究では、フレイル指標の一つであるClinical Frailty Scale(CFS)を用いて、歩行解析から抽出した多数の歩行指標を機械学習モデルに入力することで、自動的かつ客観的にCFSを推定するシステムを構築しました。その結果、循環器専門医が評価したCFSと極めて高い一致度を示し、専門医による診断と同等の精度を有していることが明らかになりました。さらに、17施設から多数の高齢心不全患者を登録した多施設共同研究により、この自動評価システムが長期予後の予測においても有用であることを確認できました。特に、AIによるフレイル評価は心不全入院や死亡といった臨床アウトカムを独立して予測しうることが示され、今後のリスク層別化や治療方針決定に資する可能性が高いと考えられます。