術後せん妄とは、手術後に起こる意識・注意・知覚の障害であり、多くの有害事象に繋がる周術期合併症であると言われております。心大血管手術において特に発症率が高いと言われており、臨床における課題となっております。術後せん妄発症はリスク因子が多岐にわたり、発症の予測・予防が困難であることから、術後の早期発見・介入が大切であると考えております。しかしながら、実際の臨床において簡便なせん妄評価のみでは、見落としが生じていると感じる場面が多くありました。そこで本研究ではCAM-ICU(Confusion Assessment Method for the Intensive Care Unit)とNEECHAM(混乱・錯乱スケール)の2評価を使用し、術後せん妄の見落としを最小限にし、臨床現場でも使用できる評価方法について検討しました。