北海道心臓協会

NO.134

米国心臓協会 Scientific Sessions 2024

北海道大学大学院医学研究院循環病態内科学教室
大学院生西野広太郎氏

　現在、心房細動患者における低電位領域（Low-Voltage Areas, LVAs）の新規バイオマーカーとして、血清血管作動性腸管ペプチド（Vasoactive Intestinal Peptide, VIP）に関する研究に取り組んでおります。LVAsは心房細動再発や心血管リスクを予測する重要な因子ですが、従来の検出手法は侵襲的で患者の負担が大きいため、より簡便かつ非侵襲的な指標の開発が期待されています。本研究は、この課題への取り組みを目的の一つとしております。

　この度、2024年11月16日から18日にシカゴで開催された「American Heart Association Scientific Sessions 2024」に参加した本学会は、アメリカ・シカゴにあるMcCormick Place Convention Centerで開催されました。私の発表では、血清VIP濃度がLVAsの予測に有効であるという研究結果に基づき、VIPを臨床応用する可能性について議論が交わされました。特に、VIPを他の臨床指標と組み合わせた予測スコアの有効性について意見を求められたことが印象的でした。世界各国の研究者からの質問や建設的な意見を受け、自身の研究をより深めるヒントを得ることができました。

　末筆ながらこのような機会を与えてくださった一般財団法人北海道心臓協会様に、この場を借りて改めて心より御礼申し上げます。