NO.127 |
第35回日本循環器病予防セミナー
札幌医科大学医学部公衆衛生学講座
大学院生 長南 行浩氏
この度、大阪府の国立循環器病研究センターで開催された2023年度(第35回)日本循環器病予防セミナーに参加させていただきました。
本セミナーは「社会に役立つ循環器病予防の研究力を身につける」をテーマに、有用性、実現性、継続性を考えた循環器病予防の研究計画を作成することを目的として、オンラインにて7月29日(土)・8月5日(土)・6日(日)の3日間と、現地開催にて8月19日(土)・20日(日)の2日間、計5日間で実施されました。
グループワークに関しては受講生が5つのグループに分かれ、グループ毎に与えられたテーマに対する研究計画の立案・発表を実施しました。各グループは6名のセミナー受講生で構成され、本学会でご活躍されている著名な先生が2名指導役で入ってくれます。グループのメンバーは全国から集まった大学院生や医療職の方、企業で勤務される方など様々なバックグラウンドを持っており、それぞれ異なる視点で意見を交わし合うことができ、大変刺激を受けました。
我々のグループが与えられた研究テーマは「エビデンスはあるが十分に実施されていない仮説を社会実装するための研究」というものでした。社会実装は普段取り組むことのない難しいテーマでありましたが、グループの皆で悩みながらも沢山のディスカッションをし、指導役の先生からのご助言をいただきながら進めていきました。グループで話し合った結果、我々の研究課題は「2型糖尿病患者に対する視聴覚ツールを用いた効果的な運動療法の社会実装-ランダム化比較試験-」となりました。ランダム化比較試験は自分自身経験がなく、2群に割り付ける際の倫理的配慮や介入効果を考えたサンプルサイズの計算など、多くの学びがありました。私はグループの発表担当となったのですが、グループメンバーの支えもあり無事やり遂げることができました。
他のグループは各々「循環器疾患のリスク因子の探索に関する研究」、「NDBなどのリアルワールドデータを用いた研究」、「循環器疾患予防に関する研究」、「循環器疾患対策のための将来予測に関する研究」という研究テーマが与えられており、どのグループも興味深い発表をされており、今後の研究の参考になりました。
本セミナーでグループ発表した内容は、さらにブラッシュアップして来年東京で行われる第60回日本循環器病予防学会学術集会で発表することになっております。またグループのメンバーやご指導いただいた先生方に再会できることを楽しみにして、さらに研鑽した内容で発表できるよう努力したいと思います。
末筆ではございますが、本セミナーの参加にあたり研究開発調査助成を賜りました一般財団法人北海道心臓協会に心より厚く御礼申し上げます。