一般財団法人 北海道心臓協会

トップページ
すこやかハート
トピックス
講演
「○○○」といわれたら
循環器疾患の危険因子
心臓・血管病Q&A
セミナー参加報告
心血管病の治療最前線
心臓・血管病の危険因子
循環器疾患診断法・最近の進歩
ストレスと循環器
血管とその病気
運動と健康
心臓・血管病と闘う人たち
心臓・血管病予防の知識
医食同源
北海道心臓協会編集委員
入会のお願いとご案内
賛助会員の皆様
フリーイラスト集
「すこやかハート」100号記念
心臓協会20年間のあゆみ
事業計画・予算と事業報告・決算
リンク
お問合せ・健康相談はこちら
道新オーロラネットへ戻る
NO.123

第50回日本放射線技術学会秋季学術大会

JR札幌病院 放射線技師
菊田 俊氏

門坂崇秀氏

 令和4年10月7日から3日間にわたり、第50回日本放射線技術学会秋季学術大会が開催されました。

 私は「心筋MRIにおけるKeyhole Imagingを用いた自由呼吸下Black-Blood T2強調STIRの有用性」という「技」をテーマとした演題を発表しました。

 心筋MRIはそのコントラストの高さから心筋の性状評価に用いられます。造影剤を用いた遅延造影を行うことで虚血や心筋症による心筋バイアビリティ評価が可能です。また、造影前にBlack-Blood T2強調STIR(以下STIR)を撮像することで心筋浮腫を捉えることができます。遅延造影とSTIRを組み合わせて診断することで、心筋梗塞の発症時期や心筋ダメージの評価、心筋炎の診断、心サルコイドーシスの活動性を評価できるといわれており、STIRは心臓MRIにおいて主要なシーケンスの一つです。

 このSTIRは呼吸や心拍による心臓の動きを抑制するために、心電図に同期させながら息を止めて撮像します。心不全による呼吸苦や不整脈による心電同期不良で撮像時間が延長して息が止めきれずに画像がブレてしまい診断ができなくなることがあります。対策として、当院ではシングルショット法という超高速撮像法でのSTIRを追加しています。この手法は息止め不良による胸郭の動きに強い反面、コントラストの低下や画像のボケが目立つ画像となります。心筋症の精査など、非常に淡いコントラストを描出しなければいけない場合では病変を描出することができません。そこで息止めができない場合でもコントラストが良好な画像を取得する手法としてKeyhole Imagingという短時間撮像法を使用した自由呼吸下でのSTIRを考案しました。息止めによるSTIRとKeyhole Imagingを用いた自由呼吸下によるSTIRを撮像し、両者の画像のブレの度合いを解析したところ、有意差はなく自由呼吸下でも画像のブレを抑えた画像を取得することが可能だということがわかりました。

 最後に、この度の学会参加にあたり、研究開発調査助成を賜りました一般財団法人北海道心臓協会に心より厚く御礼申し上げます。


  
(一財)北海道心臓協会 〒060−0004 札幌市中央区北4条西4丁目 (株)伊藤組内 TEL 011-241-9766
(C)Hokkaido Heart Association. supported by Doshin Access Co., Ltd.