近年、画像再構成の段階で心外集積の影響を除去する方法としてMasking process on Unsmoothed images(MUS法)が開発されました。この方法を用いることで心筋への心外集積の影響を軽減できることが期待されています。2022年4月に開催された日本放射線技術学会総会学術大会ではMUS法の技術的有用性の検証として、ファントムを用いた評価を行い、発表を行ってきました。本学会では臨床的有用性の検証として、心筋下壁の診断能の評価を行いました。本研究ではカテーテル検査もしくは冠動脈CTにて右冠動脈に有意狭窄を有する患者、有意狭窄の無い患者74名を対象に、当院での従来の画像再構成法とMUS法での2種類の画像を作成し、下壁の虚血評価を視覚的および虚血の程度を数値化するスコアリングの2つの方法で評価して比較しました。