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第42回日本集中治療医学会学術集会
北海道大学病院
ICU・救急部ナースセンター 看護士
水戸 のぞみ氏
2015年2月9日から11日まで3日間の日程で第42回日本集中治療医学会学術集会が東京都新宿区で開催されました。本学会は「高めよう集中治療の力、広めよう集中治療の輪」をテーマに最新かつ重要な研究成果が多数発表されておりました。7,000名を超える参加者となる大きな学会であり、様々な知見を得ることができ、貴重な経験となりました。
私は今回、ICUにおいて多職種で行う植え込み型補助人工心臓の管理と課題について、発表させて頂きました。
北海道大学病院は、北海道で唯一の心臓移植実施施設であり、心臓移植待機患者に対して、植え込み型補助人工心臓(VAD)による治療を行っています。
VADの管理には専門的な知識が必要であり、多職種が協働して管理を行うことが重要となります。
当院においては医師、看護師、臨床工学技士、心臓移植レシピエントコーディネーター等が連携してマニュアルの作成などを行っております。
今回は、各々の職種の役割を整理し、VADの管理と課題について検討いたしました。
一般演題の「補助循環」セッションで発表し、貴重な質問や助言をいただきました。その質疑応答を経て、他施設での管理方法なども確認することができました。現在、円滑な治療を実施できていますが、今後は各々の職種における役割や医療チームとしてマニュアルの内容などを再検討していく必要性などを認識することができ、有意義な発表ができたのではないかと思います。
コメディカルセッションでは、集中治療における看護師の専門的な実践に関する交流集会や研究発表をするための知識、実践力を高めるためのシミュレーションなどの発表が行われており、大変勉強になる内容ばかりでした。
合同セッションではチーム医療に関する発表もあり、各々の職種が専門性を活かし、協働して医療を提供することが非常に大切であることを再認識することができました。
今後は、今回得られた知見と経験を活かし、VADを植え込む心臓移植患者への看護に加え、今回の学会テーマである集中治療の力をつけ、輪を広げていくことができるように新たな気持ちで努力していきたいと思います。
最後になりますが、本学会への参加にあたり研究開発調査助成を賜りました一般財団法人北海道心臓協会に心より厚く御礼申し上げます。