NO.59 |
第76回日本循環器学会 学術集会参加報告
北海道大学病院 12-1ナースステーション
看護師 石川 幸司氏
2012年 3 月16日から18日までの 3日間の日程で第76回日本循環器学会学術集会が福岡県博多市で開催されました。
本学術集会は「愛と情熱:アジアから世界へ」をテーマに最新かつ重要な循環器病学の研究成果が多数発表されておりました。
また、コメディカルにおいても400弱の演題が採択され、様々な知見を得ることができ、貴重な経験となりました。★
私は今回、慢性心不全患者に対するAdaptive Servo-Ventilation(ASV)導入時のクリニカルパスの有用性について、発表させて頂きました。
慢性心不全に対する治療として新たに注目されているASVを導入するにあたり、当院では医師・看護師ともに初めての治療法であったため、段階的に無理なく手技を習得することができ、誰もが同様の患者教育ができるようにASV導入クリニカルパスとASV療法練習プログラムを独自に作成し、その有用性を検討いたしました。
クリニカルパスと練習プログラムを用いたことで、ASV療法の高い導入成功率を得ることができ、導入後も在宅で継続性を保つことができており、ASV導入クリニカルパスを用いることによって、ASVを円滑に導入し治療を継続することが可能となり、ASVの効果が最大限発揮されることが期待されるという示唆を得ることができました。
発表した時にはクリニカルパスに関する内容について、貴重な質問や助言をいただきました。
発表を終えた後にもクリニカルパスを見たいという方や内容に関する質問をいただき、他の方々に興味を持っていただくことができ、有意義な発表ができたのではないかと思います。★
コメディカルセッションでは、心不全患者に対する在宅支援や多職種が協働して心血管リハビリテーションに取り組むというチーム医療に関するシンポジウムが行われていました。
私も心不全患者へ医療を提供するチームの一員である看護師として、大変勉強になる内容ばかりでした。やはり、患者さんとそのご家族に対して、各々の職種が専門性を活かし、協働して医療を提供することが非常に大切であることを再認識することができました。
今後は、今回得られた知見と経験を活かし、循環器疾患患者への看護に役立てていくことができるように新たな気持ちで努力していきたいと思います。★
最後になりますが、本学会への参加にあたり研究開発調査助成を賜りました財団法人北海道心臓協会に心より厚く御礼申し上げます。