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アメリカ心臓協会学術集会に参加して
札幌医科大学医学部内科学第二講座
研究員 石川 聡子
2010年11月13日から17日まで、シカゴで開催されたアメリカ心臓協会学術集会に参加してきました。世界中から何万人もの研究者が集まるこの学会でポスターでの発表をする機会をいただきました。
シカゴはアメリカで3番目に大きな都市で、まず高層ビル群に圧倒されました。新旧のデザイン性にあふれた建築物は夜になるとまたすばらしい夜景を見せてくれます。道路も札幌と同じ碁盤の目のようになっていますが、周辺に山はないのでオレンジ色のライトの線がどこまでも続いていてアメリカ大陸の大きさを感じました。
宿泊したホテルは、マグニフィセントマイルというシカゴのメイン通りのすぐ横でとても便利なところでした。学会の会場へもホテルの前から専用バスが出ているので、毎朝快適に向かうことができました。このあたりは名前のとおりまさに魅惑の1マイルで、高級ブランド店やデパート、雑貨や化粧品店などあらゆるお店が立ち並んでいて見ているだけでも楽しめる通りです。
学会会場はマコーミックプレイスという、ホテルからバスで15分ほど南へ行ったミシガン湖沿いの場所にあります。アメリカ最大のコンベンション会場といわれているとおり、東西南北4つの建物から構成され、各館が3階から5階建てでとにかく広いです。分厚いプログラムから聞きたいセッションを選んで、どの部屋で行われているかを探すのも慣れるまで大変でしたが、7つの主要な分野ごとに使われる建物と部屋が分けられていて、移動に時間がかかるため、さらに聞きたい演題を選抜しなければなりませんでした。迷路のような複雑な建物だったので、最終日にこんな抜け道があったのかと発見することもありました。
口述の発表が行われる会場とは別に巨大な体育館のようなポスター会場があります。ボードが並べられていて、ポスターが毎日およそ1000枚ずつ貼られ、午前と午後にわけて発表が行われます。私はここで4日目午後のミトコンドリアのセッションで、心筋細胞保護シグナル活性化におけるGAP結合タンパクCx43の役割について発表しました。世界各国の研究者たちとの活発な意見交換がおこなわれ、大変勉強になりました。また、周りで発表されているポスターも関連する研究のものが多く興味深かったです。
世界中でこんなにも循環器の研究がさまざまな方向から進められていて、新しいことがどんどん解明されてきているのだなと実感しました。このような学会に参加することができ、今後の研究への意欲が高まりました。さらに研究を進めていきたいと思います。
最後になりましたが、本学会への参加にあたり、研究開発調査助成を賜りました財団法人北海道心臓協会に心より厚く御礼申し上げます。