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心臓病看護教育研究会セミナー参加報告
手稲渓仁会病院 治験管理センター 看護師
菊地 みずほさん
平成20年7月15日、宮城県仙台市の戦災復興記念館にて、心臓病看護教育研究会主催の「目でみる心電図教室虚血性心臓病の理解と心電図判読のポイント」が開催されました。本セミナーでは心筋虚血における心電図変化をコンピュータ・グラフィックによる動画を用いて、虚血性心臓病の発生、心電図や心臓動態の変化、胸痛などの症状が関連付けて理解ができる。これによって今まで判り難かった心電図変化と心筋虚血病態との関連が容易に理解できるというコンセプトのもと開催されました。内容は心電図の基礎から心筋虚血の心電図の読み方まで幅広く説明があり、参加した多くの看護師は熱心に耳を傾けていました。
心電図は循環器系のみならず、すべての診療において必要な情報であり、さまざまな患者さんや種々の病態に対して観察や治療のために広く利用されていると思います。しかし、必要性が高い反面なかなか理解しづらいものだとも思います。実際、私達看護師も臨床の現場では、心電図をよく目にしますが、虚血の病態が心電図から理解することができれば、より正確な報告ができるのではないかと感じつつも、心電図変化の意味を正しく理解せずに接していた部分もあったかと思います。また、心電図の解釈の中でも、特に、心筋虚血による変化のメカニズムは、理解が難しく、ST変化が何故起こるのかという点については、疑問に思いながらも、やはり本だけで正しく理解することは並大抵のことではないと感じていました。今回のセミナーでは、心電図変化の捉え方のみに留まらず、さらに虚血病態そのものの発生のメカニズムや、心筋梗塞を含めた虚血の病態の診断と治療方針の組み方、心不全の意味や、それを捉えるための、さまざまなモニタリングなどについても説明がありました。セミナーに参加し、実際に心電図と心臓動態を関連づけることで、判り難かった心電図変化と心筋虚血病態との関連を理解することができ、非常に有意義な時間を過ごすことができました。心電図変化の発見は、私達看護師の観察によることも多くあるかと思います。今までよりも、心電図変化を正確に読み取り、虚血の病態について理解をした上で、迅速かつ適切な報告ができるのではないかと思います。
今回のセミナーで知りえた情報を今後他スタッフに少しでも還元できるよう、院内での心電図の基礎や、虚血の心電図を読むための勉強会なども検討していきたいと考えます。
最後になりますが、このたび、本学会への参加にあたり研究開発調査助成を賜りました財団法人北海道心臓協会に心より厚く御礼申し上げます。