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教授 島本 和明 先生
(札幌医大第二内科)
小樽市出身。昭和46年札幌医大卒業、同47年同大第二内科入局。同53〜55年米国留学。同59年札幌医大第二内科助教授、平成8年同教授。 |
先生のご専門(臨床および研究)を教えて下さい
研究面では、循環器領域のうち、高血圧の成因・病態・治療・疫学(予防)が専門の研究領域になります。最近は、特に生活習慣病の対策に力を入れており、インスリン抵抗性症候群の研究が主体となってきています。臨床面では、高血圧に加えて、狭心症などの心臓病、心不全、大動脈瘤(りゅう)、脳卒中、腎臓病、糖尿病、心身症を中心に診療しています。北海道の心臓・血管病の現状について先生のお考えは?
本道は、寒さという環境条件に加えて、伝統的に肉類、酪農製品の摂取が多く、動脈硬化性疾患の多発地域です。現在は全国的に動脈硬化予防のための対策が繰り広げられていますが、本道での取り組みはより強固になされるべきと考えられます。21世紀の医療はどうなるでしょうか
ご承知のように、高齢者社会が2004年をピークに形成されつつあります。さらに食生活、環境の欧米化が進み、動脈硬化性疾患の増大が、すでに現実のものとなってきています。21世紀には、がんと共に、虚血性心疾患など動脈硬化性疾患が、最も大きな標的になってくると思います。「心臓,血管病」予防について道民の皆さんへのメッセージをお願いいたします
動脈硬化は「しのびよる殺人者ーサイレントキラー」です。症状が出現しはじめた時には、すでに血管障害による脳・心・腎・大動脈などの障害が進行した状態といえます。症状がでる前に予防することが大切です。危険因子である高血圧・喫煙・高コレステロール血症・肥満・糖尿病などを除くために、食事・運動・禁煙・節酒など自分でできる予防法を考え、継続していただきたいと思います。自分の健康は自分で守るという自覚を持つことが重要です。